【1分でわかる】ビッグマックの価格から浮かぶ「安いニッポン」 背景にあるのは?
この記事は、朝日新聞GLOBEの特集「物価のなぞ」の構成記事として、2022年12月20日に配信されたものを再構成してお届けします。本編はこちらから
1. 同一商品の価格を各国で比較する
2. 日本は53か国・地域中41番目(2022年7月)
3. 2000年は5番目、近年で大きく地位低下
4. 米国の利上げと日銀の緩和が円安を促した
1, 同じ商品なのに違う価格……なぜ?
ビッグマック指数は、英国の経済誌『エコノミスト』が1986年から毎年算出してきたもので、各国で同じ商品を買った場合に同じ価格になるはずだという「購買力平価」の考え方を土台としています。具体的には、各国のビッグマック価格と為替レートを照らし合わせ、実際の為替が割高か割安かを示す目安となります。
2, 日本は53か国・地域で41番目に安い(2022年7月)
2022年7月の指数を見ると、日本のビッグマックは390円で、53か国・地域中41番目。中国、韓国、ベトナムよりも下に位置します。米国の価格は5.15ドルで、当時の為替(1ドル=137.87円)で計算すると約710円。日本人が米国で買うと「高い」と感じ、逆に米国人が日本で買うと「安い」と感じる結果で、足元の為替と物価水準の差を端的に示しています。
3, 為替を左右する金利差の拡大が背景に
日本が割安に見える背景には、為替を左右する金利差の拡大があります。米国では中央銀行がインフレ抑制のため利上げを進めドル高となる一方、日本では日本銀行が金融緩和を続け低金利にとどめたため円安が進みました。購買力平価の観点からは、本来は円高方向で調整されるはずでも、実際の為替は金利差の影響を強く受けた格好です。
4, 2000年は5番目。大きく順位を下げる
日本の順位は長期的に低下しています。2000年4月の指数では日本は5番目でしたが、その後20年以上で大きく下がりました。「アベノミクス」前の2012年7月時点では日本のビッグマックは320円で、当時の為替レート(1ドル=78.22円)で換算すると4.09ドルとなり、米国の3.96ドルとほとんど変わりませんでした。近年は円安進行が重なり、「安いニッポン」の姿がより鮮明になっていました。
世界各地でビッグマックを買うと、その価格差は明らか。味はほぼ同じなのに……と思わずにはいられませんでした。ただ、一つの商品から、為替と物価の関係がこれほど端的に分かるのは、非常に面白いことでもあります。これからも海外で時々は試してみたいと思います。