【1分でわかる】金利と物価、景気の関係は? 金利がマイナスってどういうこと?
この記事は、朝日新聞GLOBEの特集「金利のある世界」の構成記事として、2024年7月19日に配信されたものを再構成してお届けします。本編はこちらから
1. 金利は「時間を買う」ための対価
2. 将来の物価を予想して金利が決まる
3. 中銀は物価や景気に応じて金利を操作
4. マイナス金利政策には限界もある
1, 金利は物価の先行きをどう見るかで決まる
金利は、お金を貸し借りする際に支払う「手数料」のようなもの。借り手は返すまでの間、そのお金を自由に使えるので、「時間を買う値段」とも言い換えられます。あるモノの値段(物価)が1年後に10%上がるとしたら、100円のものは1年後には110円でないと買えなくなります。それなのに金利をゼロにすると、100円貸しても1年後に100円が返ってくるだけなので、貸した方は損をします。そこで貸し手は物価上昇を見込んで金利を設定しますが、高すぎれば借り手は減り、低すぎれば需要が過熱しやすくなります。
2, 中央銀行の金利操作と景気の関係
物価の見通しを考慮しながら、中央銀行は景気を刺激したいときは金利を引き下げ、過熱やインフレを抑えたいときは金利を引き上げます。2008年の世界金融危機後には各国が大幅に利下げして、低金利はコロナ禍まで長く続きました。しかし、2021~22年にインフレが加速すると、米欧は利上げに転じました。欧州ではインフレが落ち着きつつあり、景気の不透明感もあって徐々に利下げに移行していきました。
3, マイナス金利の狙いは景気下支え
ユーロ危機のさなか、欧州中央銀行(ECB)などはマイナス金利政策を導入しました。短期金利をマイナスにすることで、全体の金利水準を押し下げるものです。民間銀行がお金を中央銀行に預けるとき、金利がマイナスだと、余分なお金を置いておくと逆に金利を支払わなければならなくなるので、企業融資に回すよう狙ったものでした。日本もマイナス金利政策を2016年1月から24年3月まで続けました。
4, 大幅なマイナスには限界がある
マイナス金利には弊害もあります。現金にも保管のコストや盗まれるリスクがあるので、それに見合う手数料分として預金金利をマイナスにすることはできます。しかし、あまりに大きなマイナスだと、「現金として持っている方が得になる」と考える人が増えてしまいます。つまり、金利は「ゼロより大きく下げられない」という制約があるわけです。
物価が上がっていく状況となり、金利の役割が改めて意識されています。金利は物価、景気、為替を結びつけるハブであり、その小さな変化が企業の投資や家計の金利負担に直結します。いま金利を理解することは、これからの経済の方向を読む手がかりになります。