【1分でわかる】若者があふれるインドで進む少子化 世界一の人口大国と日本はどう付き合う?
この記事は、、朝日新聞(デジタル版)で2023年6月23日に配信された記事を再構成してお届けします。本編はこちらから
1. インドの人口が世界一になる一方、都市部を中心に少子化が進行中
2. 若い働き手が多い「人口ボーナス期」は2050年代ごろまで続く
3. 日本はインドの人材受け入れを拡大し、つながりを深めることが鍵
1, 実は進んでいるインドの「少子化」
人口が増え続けるインドですが、1人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数を示す出生率は2.0と、人口を維持する水準を下回っています。特に都市部では1.6と先進国並みです。背景には、女性の社会進出が進み、結婚や出産に対する伝統的な考え方が変化していることや、教育費や生活費の高騰があります。コロナ禍による出会いの減少や経済悪化なども影響したとみられますが、それ以前から少子化の流れは起きていました。
2, 少子化がもたらす意外なメリット?
インドは2050年代ごろまで、働き盛りの世代が多い「人口ボーナス期」が続きます。年間1千万人以上増える働き手の雇用創出が課題ですが、実はこの時期に少子化が進むと、貧困や失業、公的サービスの不足、環境問題が緩和されるというメリットがあります。一方で、将来的に高齢化が進めば経済成長の足かせとなるため、日本が今まさに抱えているような女性の就業促進や高齢者の活用といった課題に早くから取り組む必要があります。
3, 日本はインドとどう向き合うべきか
日本にとって、インドとの協力は今後ますます欠かせないものになります。日本がとるべき長期的なアプローチとして、熊谷氏は「インド人の受け入れ拡大」を提案しています。インドの人々は英語に堪能で、タテ社会の文化があるため日本企業にも適応しやすい利点があります。高度なIT人材に来てもらうためには、旅行や留学を通じて日本を好きになってもらい、そのつながりを生かしてインドのニッチ市場を目指す事業展開も重要です。
インドの人口は2064年ごろまで増加を続け、減少に転じる中国との差はさらに広がると予測されています。しかし、人口の多さが経済のすべてを決めるわけではありません。中国は自然科学系の論文実績や電気自動車などの分野で高い競争力を持っています。また、新興国の集まりである「グローバルサウス」においても、インドは中国ほど他国との実需に基づく経済関係が深くなく、リーダーシップを取るにはまだ課題が残っているのが実情です。