【1分でわかる】老いる韓国の今とこれから 高齢化と少子化の原因はどこに?
この記事は、朝日新聞(デジタル版)の連載「そもそも解説」で、2024年9月16日に配信された記事を再構成してお届けします。本編はこちらから
1. 韓国の高齢化率は日本より低いが、異例の速さで進む
2. 平均寿命の伸びと急速な少子化が要因に
3. 結婚や出産に対する若者の価値観の変化も
4. 年金など社会保障制度にも影響が出てくる
1, 間もなく「超高齢社会」に到達か
推計で2024年の韓国の高齢化率は19.2%。29.3%の日本を下回っていますが、「高齢化社会」(高齢化率7%超)から「高齢社会」(14%超)に18年で移行していて、2026年には「超高齢社会」(21%超)に突入する見通しです。高齢社会から超高齢社会に8年で移行したとなれば、異例のペースと言えます。
2, 有数の長寿国に。出生率は低迷したまま
経済成長や医療の進歩で平均寿命が大きく伸びました。男女の平均寿命は2022年時点で82.7歳で、40年前と比べると15年ほど長くなりました。一方、1人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数は2023年に0.72。日本の1.20を下回り、世界的に極めて低い水準にあります。
3, 「生きにくさ」や価値観の変化
長時間労働や教育費の負担などが「生きにくさ」につながり、出産をためらう理由になっています。韓国は日本以上の学歴社会と教育熱で知られていて、受験や就職に伴うつらい競争を子どもには経験させたくないという思いを持つ人もいます。また、無理をせず、自由に生きたいという若者も増えています。
4, 少子化対策の難しさ、揺らぐ社会保障
政府は保育施設を増やすなど、少子化対策に力を入れています。しかし、子育て世帯に対する支援はできても、結婚や出産に踏み切れない若い世代の価値観を変えるのはとても難しいことです。働き手不足も大きな課題で、若者たちには、自分たちが高齢者になった時に支え手がいるのか、年金がきちんともらえるのか、という不安も広がっています。
韓国の高齢化率は今後、2040年代には日本を上回り、その後40%を超えていくと推計されています。産業や暮らしを支える働き手をどう確保するか。年金など社会保障の持続可能性をどう保つかなど、課題は日本と似通います。韓国が急速な高齢化にどう備えていくかは、日本にも示唆に富んでいます。