“‘A blowtorch to the tinder': Stoking racial tensions is a feature of Trump's presidency"
6月20日付 ワシントン・ポスト紙
トランプ大統領は先日、ヒスパニック系移民をvermin(害虫)にたとえ、米国にinfest(はびこる)と批判した。国境を子どもと越える親は、犯罪や殺人をpoised to commit(する態勢にある)とも主張。発言は反発を呼んだが、トランプがこんなinflammatory(敵意をかき立てる)言葉を使うのは初めてではない、と記事は指摘する。white nationalist movement(白人至上主義者の運動)の言葉とイメージを借りて、dehumanize immigrants(移民から人間性を奪い)、racial tensions(人種間対立)をあおることが、トランプの大統領任期と共和党ブランドのdefining feature(決定的な特徴)だと見る。
記事は共和党政権の元スタッフの「トランプの発言はa blowtorch to the tinder(火口にバーナーを近づける)ようなもの」というコメントを引用。元スタッフは、人種と民族、国籍に基づいた文化戦争はトランプのgo-to theme (頼りになるテーマ)だと言う。記事はトランプがこれまでも異なるグループをhas pitted against(対立させてきた)と指摘。perilous(非常に危険な)ことになるかも知れない中間選挙を控え、人々の恐怖心や不安にplaying to(訴える)ことで、hard-core(強硬派)支持者のturnout(投票率)を最大化するのが狙いと見る。トランプのunremitting(絶え間ない)心配は、大統領選で中心になった移民問題に弱腰と見られると、base(政治的基盤となる支持者)に見放されることだという。議会共和党リーダーらの居心地が悪いのは明らかだともいう。中間選挙でswing districts(結果が共和党と民主党で度々入れ替わる振り子選挙区)での再選を狙う共和党下院議員が最も立場が弱く、そこで有権者が人種間をdivisive(対立させる)発言や方針にrecoil from(反発すれ)ば当落を左右しかねない。しかしby and large(概して)共和党議員はトランプに反対しない。予備選での敗北や、トランプにbeing ostracized(排斥される)リスクを嫌うからだ。最後に共和党のpollster(世論調査専門家)がトランプ戦略の危険性を指摘していると紹介し、electorate(有権者)の多様化が進むなか、一層inclusive(非排他的な)メッセージを打ち出すべきだとする。私もこの意見に全く同感だ。
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