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【地球をつまみ食い】大西洋の「ハワイ」で見つけた! 1500年愛される究極のソウルフード「ゴフィオ」

地球をつまみ食い 更新日: 公開日:
グランカナリア島のレストラン「エルボヤ」のゴフィオ・エスカルダード=2020年12月、疋田多揚撮影

日本のほぼ裏側、西アフリカ沖に浮かぶスペイン領カナリア諸島。冬でも20度を超える「大西洋のハワイ」には、1500年以上も島民の胃袋を支え続けてきた魔法の粉「ゴフィオ」があります。先住民の言葉や文化が消えても、この味だけは残ったという、島民のアイデンティティーに迫るグルメリポートです。

この記事は、朝日新聞(デジタル版)の連載「地球を食べる」で2021年1月10日に配信された記事を再構成してお届けしています。本編記事はこちらから

ゴフィオのポイント

  1.  材料は煎った大麦やトウモロコシを粉にしたもの。香ばしい香りが特徴で、1500年前から食べ継がれている島民にとっての「お米」のような存在
  2.  スープ、主食、お菓子など、食べ方は1000通り以上。 牛乳に溶かして朝食にしたり、ムースやアイスにしたりと、どんな料理にも変身する万能食材
  3.   特別な道具も薪もいらない「究極のエコ飯」。加工がシンプルで長期保存も効くため、かつて貧しかった島の人々を飢えから救ってきた知恵の結晶
  4. コロナ禍で観光収入が減った今、500gで1.15ユーロ(当時)という安さと高い栄養価から、地元の若者たちの間でも再注目されている

もっと知りたい

1, 歴史を生き抜いた「不屈の伝統食」 

15世紀、スペインの征服により先住民の言葉や文化は失われ、島民は商品作物の栽培を命じられた。しかし、島民は自分たちを守るゴフィオの原料である大麦栽培だけは決してやめなかった

2,  科学が証明した「島への適応力」

 最新のDNA分析によると、原料の大麦は北アフリカの品種に近いことが判明 。強い日差しと短い冬という島の過酷な環境にぴったりで、洞窟などの貯蔵庫で1年近く保存できる強みがある

3, 「虫歯の痕」が語る主食の歴史

島の博物館に展示された先住民の骸骨には、多くの虫歯が見つかる。これは、炭水化物を主成分とするゴフィオを、数千年にわたって主食として食べ続けてきた動かぬ証拠とも言われている

4,秘伝のレシピ「ゴフィオ・エスカルダード」

レストランで人気のメニューは、魚介や野菜のダシで煮込んだポタージュ風料理。見た目はシンプルだが、中身は秘伝のスパイスが効いており、おなかに優しくボリューム満点な昼食の定番だ

記者の食レポ

 目の前に広がる大西洋を眺めながら一口。どろりとした食感に、トウモロコシを焦がしたような香ばしさが口いっぱいに広がる。添えられた生タマネギの辛みがアクセントになり、スプーンが止まらない。シンプルなのに奥深く、島の歴史が凝縮された温かい味わいだった。