「移民反対」を支持する人たち なぜ今、強く訴える?その理由は?
「差別ではない。ただ移民政策により問題が生じている欧米のようになってしまっては困る」。多くが口をそろえたのは、自らの主張が排外主義ではないという考えと、将来への不安だった。
コロナが落ち着いてから、働く外国人やインバウンド旅行者らも含めて、目に見えて外国人の数は増えている。一方、手元のスマートフォンを開けば、SNSを通じて、欧州や米国の移民問題をはじめ、不安を感じる情報が次々と入ってくる。
今の課題も語られた。東京都の50代男性は、「仕事で外国人と一緒になるが、日本語がわからないから大変だ」と話した。日本語教育を手厚くすることは解決策になるのでは、と聞くと、「そういう予算は先に日本人に振り向けてほしい」。男性は若い頃は夜間の仕事をこなし、今は派遣の仕事とアルバイトを重ねているという。
反対派の中にも、主張の違いがあった。横浜市の60代男性は「排外主義やデマと批判されても仕方ない言説もある」と言いつつ、「不安を語ろうとするだけで『差別』『レイシスト』とレッテル貼りされる」とも語った。それでも移民政策に反対なのは、「各地でトラブルが発生している。まずは制限するべきだ」。
課題があるなら、共生に必要な政策支援をするか、人手不足を受けいれて制限するか。どう妥協策を見いだすか。「政治にもっと議論してほしい」。そのことも、男性たちのいら立ちにつながっていた。
外国人の受け入れは、経済界の要請もあって進んできた。安倍政権が、働く外国人を本格的に受け入れ、条件を満たせば、家族を伴う滞在や永住申請も可能な特定技能制度をつくり、2019年に始まった。その後、技能実習に代わり、特定技能への移行も視野に入れる育成就労制度を創設するなど、拡大方向で進んできた。
外国人を支援する態勢強化や日本語教育などの共生施策はとられてはいる。だが、現場の負担増や地域の不安に対してどう向き合い、より本格的な予算をどう配分するかといった対応は追いついていない。