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【地球をつまみ食い】タイで見つけたすしの源流「プラーソム」 発酵の魔法と隠し味に驚き

地球をつまみ食い 更新日: 公開日:
素揚げにされたプラーソム
素揚げにされたプラーソム=2021年12月、バンコク、西村宏治撮影

魚と米を使った発酵食品「プラーソム」は、日本のなれずしと共通点を持つタイの伝統食だ。素朴な料理の中に、保存とおいしさを両立させる知恵が詰まっている。発酵文化の地理的な広がりにも気づかされる一品だ。

この記事は、朝日新聞(デジタル版)の連載「地球を食べる」で2022年5月1日に配信された記事を再構成してお届けしています。本編記事はこちらから

プラーソムのポイント4つ

  1. プラーソムはタイ語で「酸っぱい魚」の意味。タイ東北部や隣国ラオスが本場
  2. 魚を塩などに漬け込み、その後もち米を詰めて発酵させる保存食
  3. 塩味とほのかな酸味、そして豊かなうまみが特徴で愛されている
  4. かつては生食もしていたが、今は加熱して食べるのが一般的になった

もっと知りたい

1, 日本のなれずしとの共通点

日本のすしの原型は魚をごはんに漬け込んでつくる「なれずし」。滋賀県の名産品「ふなずし」がよく知られている。プラーソムも発酵の方法はほぼ同じで、なれずしの源流にプラーソムがあると見る研究者もいる

2, 発酵によって日持ちする

高温多湿な環境の東南アジアでは菌の増殖も速く、魚はすぐにいたんでしまう。発酵させることによって保存性が高まる。さらに、酸味と塩味のバランスがとれ、味わいも豊かになる。ある店の女性はさらに、うまみを加えるために日本の調味料を使っていると打ち明けた

3, 生食が減った理由は寄生虫

淡水魚には「タイ肝吸虫」と呼ばれる寄生虫がいることがあり、タイ政府は魚の生食を控えるよう呼びかけてきた。焼いたり素揚げしたりして、加熱して食べるのが一般的になった。伝統文化と安全面の折り合いの歴史がある

記者の食レポ

素揚げのプラーソムは香ばしく、塩味の次にほのかな酸味、そしてうまみがじわりと広がった。ふなずしが好物の記者にとっては、たまらない味で、生食の誘惑を抑えるのが大変だった。発酵の力とその地理的な広がりも興味深かった