炭火に肉汁がしたたり落ち、白煙が立ち上る。食欲をそそる香辛料のにおいに、ビールがとまらない――。中国の絶品B級グルメ「羊肉串(ヤンロウチョワン)」。中国・広州で思う存分、食べ歩いた記者のレポートを要点解説でつまみ食い!
中国で知らない人はいないB級グルメの王道「羊肉串」
この記事は、朝日新聞(デジタル版)の連載「地球を食べる」で2022年6月15日に配信された記事を再構成してお届けしています。本編記事はこちらから
羊肉串のポイント3つ
- 赤身と脂身を交互に串刺し。ウイグル地区から生きたまま運ばれた新鮮なラム肉を使うので臭みがほとんどなく、肉のうまみが際立つ
- クミンや唐辛子などスパイスで味変を楽しむ。羊肉串だけでなく、鶏肉やイカ、ウィンナー、ハツ、トウモロコシ、ナス、白菜、オクラ、キノコ、ニラなど約40種類から好きな食材をチョイス
- 1本約100円以下の「神コスパ」。お店で焼き上げてもらう仕組みだが、最近はテーブルで自分で焼ける回転式の焼き台もあり、みんなでワイワイ盛り上がれる
新疆ウイグル自治区から生きたまま運ばれ、広州でさばかれた羊の肉。これを炭火で焼くと、絶妙な歯ごたえで、臭みは感じない=2022年6月、広州、奥寺淳撮影
もっと知りたい
1, 中国全土で愛されるストリートフード
羊肉串は新疆ウイグル自治区発祥とされるが、今や中国全土で親しまれており、各地方ごとにオリジナルの焼き方や味付けが存在する。
2, 市場規模は約4.6兆円!
2021年の中国バーベキュー産業規模は約2300億元(当時のレートで約4兆6000億円)と、若者を中心に年々拡大中。2016年以降は毎年10~15%成長している注目産業。
3, 現代の若者に大人気
中国国内では「80后」「90后」と呼ばれる1980年代・90年代生まれ(現在20~40代)が主な消費者。ジビエのイメージを覆すジューシーさとカジュアルさがウケている。
4, 食文化の多様性が反映
本場の羊肉串以外にも、朝鮮族や東北地方のスタイル、野菜や魚介類のバリエーションなどが並ぶ。店によっては回転式焼き台で自分で焼く体験ができるのも今どきポイント。
記者の食レポ
炭の香り、じゅわ肉汁、やわらかくも歯ごたえあり、絶妙な食感…思わず「うーん、うまい!」とうなってしまった。ビールがとまらない。
新疆ウイグル自治区の新鮮な羊の肉を炭火で焼いた「羊肉串」とナン。まず写真を撮ろうと思っていたのだが、おなかが減っていたので忘れてナンをかじってしまった=2022年6月、広州、奥寺淳撮影