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【1分でわかる】金利はいつからあるの? 歴史をひもとけば経済の動きも分かる  

1分でわかる○○ 更新日: 公開日:
メソポタミア文明・ハンムラビ法典碑(紀元前1750年ごろ)。石碑上部にはシャマシュ神(右)とバビロンのハンムラビ王の姿が彫られている。ルーブル美術館蔵
メソポタミア文明・ハンムラビ法典碑(紀元前1750年ごろ)。石碑上部にはシャマシュ神(右)とバビロンのハンムラビ王の姿が彫られている。ルーブル美術館蔵=ロイター

金利は「お金を借りる対価」として当たり前に思われますが、その起源は古代にさかのぼります。大麦や銀での取引、種もみの貸し借りなど、将来と現在の交換から自然に生まれました。宗教が禁じた時代を経て、いまは中央銀行が金利を政策手段として用い、大国アメリカの動きが世界に波及します。

この記事は、朝日新聞GLOBEの特集「金利のある世界」の構成記事として、2024年7月23日に配信されたものを再構成してお届けします。本編はこちらから

ざっくり要点

1.  古代メソポタミアにも利子があった
2.  「時間の流れ」が利子を生み出す
3.  宗教が金利を禁じた時代もある
4.  現代は中央銀行が金利で景気を調整する

もっと知りたい

1, ハンムラビ法典に利子率の定め

メソポタミア文明では大麦や銀を通貨のように用いた取引が行われ、貸し借りには利子が伴っていました。紀元前18世紀のハンムラビ法典には利子率の決まりがあり、大麦の場合は33%、銀の場合は20%と定められていました。日本にも古くから利子があり、律令時代以降には春に種もみを借り秋に利子をつけて返す「出挙(すいこ)」が行われていたとされます。

2, 「将来」をどう見るかで、利子率は決まる

貨幣がなく物々交換であっても、時間の流れがあれば利子は生まれます。たとえば、収穫能力の高いベテラン農家が今年のコメを若い農家に渡し、将来その農家からコメを受け取る約束をする場合、将来の生産の伸びや不確実性が交換比率に反映されます。多くの人々の間で行われると、市場における現在と将来の交換比率=自然利子率として表れます。

3, 道徳や宗教とせめぎ合いながら、金融業が発展

金利は道徳や宗教ともせめぎ合ってきました。古代ギリシャの思想家は商品を介さない貨幣貸付の利子を批判し、旧約聖書では同胞から利子を取ることを戒めました。中世ヨーロッパのカトリック教会も同宗の信徒からの利子を禁じましたが、やがて緩和され、フィレンツェやジェノバなどで金融業が発展しました。

4,  各国の金利差は為替にも影響する

現代では、通貨を独占的に発行する中央銀行が、物価や景気に応じて政策金利を上下させます。長期金利はインフレ率、金融政策、選挙、原油価格、地政学など多くの要因で変動しますが、お金は「金利が高い方」へ流れます。例えば、アメリカの金利が相対的に高いと、投資はドル建て資産に向かいやすく、ドルの需要が増えて為替はドル高へ動きます。

記者のひとこと

金利は単なる手数料ではなく、社会が将来に向けて資源を配分する「時間の価格」です。古代から続くこの仕組みは、宗教や倫理との葛藤をくぐり抜け、いまは中央銀行の政策という形で私たちの生活に直結しています。基軸通貨ドルをもつアメリカの金利の一挙手一投足に世界が注目する理由も、そこにあります。