【1分でわかる】広がるフェアトレード 「意思」を持って商品を選ぶ大切さ
この記事は、朝日新聞SDGs ACTION! で2026年5月8日に配信された記事を再構成してお届けします。本編はこちらから
1. 購入や投稿が寄付になる「ミリオンアクション」
2. 市場規模は2025年に前年比88%増の約190億円
3. 約200団体と連携し、参加企業も拡大
4. 「意思を持った消費」が重要と呼びかけ
1, 「行動が寄付になる」仕組みとは
「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2026」は、フェアトレード商品を購入したり、SNSに投稿したりすることで支援につながる仕組み。1アクションにつき1円が開発途上国の生産者などへ寄付されます。期間は5月いっぱいで、目標は300万アクション。キャッチコピーは「“いいもの”の先に、“いい世界”を。」で、今年はDEAN&DELUCAや千疋屋総本店が初参加するなど、取り組みの広がりが見られます。こうした仕組みは、日常の消費行動を通じて社会課題に関わるきっかけをつくる試みといえます。
2, 市場は成長。価格高騰の影響は?
2025年の国内フェアトレード市場規模は約190億円で、前年比約88%増でした。背景には主要品目であるコーヒーやカカオの価格高騰があります。コーヒーは産地の天候不順や為替の影響で高止まりし、カカオは西アフリカの不作や気候変動の影響で価格が上昇した「カカオショック」が市場に波及しました。こうした状況について、関係者はフェアトレードの勢いが鈍ったわけではなく、一時的な外部要因の影響と捉えており、需要自体は安定していると説明しています。
3, 新規企業の参加で規模拡大の期待
このキャンペーンは今年で6年目を迎え、小売店、食品メーカー、自治体など約200の団体・企業と連携して実施されています。アクション数は年々増加しており、2021年の100万から2025年には280万へと拡大してきました。昨年は300万の目標に届かなかったものの、今年は新規企業の参加や既存企業の取り組み拡大により、さらに規模を広げることを目指しています。関係者は「大きな渦を起こせる」と期待を示し、社会全体での関心の高まりがうかがえます。
4, 消費者にとって「いいもの」とは
今年初参加のDEAN&DELUCAはケーキや総菜などを展開し、「おいしいものを届けるだけでは不十分」として、持続的に価値を届ける意識を示しています。また、千疋屋総本店はフェアトレードのバナナを使った商品を提供し、生産環境だけでなく品質も重視した取り組みを行っています。さらに議論では、「作られてから廃棄・循環に至るまでの過程が美しいものが『いいもの』」と、消費者自身が商品を選ぶ際の意識が重要と指摘されました。
「いいもの」という言葉は、単なる品質の高さだけでなく、その背景にある生産や流通のプロセスまで含めた概念として語られていました。生産者の労働環境や自然への配慮、さらに使用後の循環までがつながって初めて「いいもの」といえるという考え方です。日々の買い物でも、何となく選ぶのではなく、意思を持って商品を選ぶことが社会の在り方に影響するという指摘は、消費行動の意味を見直すきっかけになります。