いつでもどこでも孤食でも 香港発の「弁当焼」がかなえるアツアツの炭火焼き肉
でも、自宅で、炭火を使った焼き肉が食べたい。一人でもアツアツの焼き肉が食べたい――。そんな人向けに、香港で炭火で焼ける焼き肉弁当が発売されました。
どんな弁当なのでしょうか。
家に一人でいても、熱々で本格的な炭火の焼き肉を食べたい――。そんな人のために作られた弁当が香港で生まれた。昨年5月から「弁当焼(Bento-yaki)」が販売する焼き肉弁当だ。
一見すると、普通の四角い紙製の弁当箱。しかし、ふたを開けると目に入るのは左上にある網だ。網の下には炭ペレットとマッチが入っている。そして右上には生の牛肉がある。
この炭ペレットに火を付け、網の上に生肉をのせれば、焼き肉が楽しめるというわけだ。炭火は30〜45分間もつといい、食べ終わったら最後はポリ袋に入った水で火を消す。弁当箱の中には、ご飯、キムチ、野菜炒めも入っている。
弁当焼のメニューを見ると、肉は部位の違いで複数の種類があり、106〜160香港ドル(約1900〜2900円)。豚肉やうなぎ版もある。
創業者の胡煒灝さん(29)はオンライン取材に、「いつでも、どこでも焼き肉を楽しんでほしかった」と言い、「日本の弁当のおかずの組み合わせや、デザインを参考にして弁当焼の弁当箱を作った」と話す。
背景には新型コロナの影響もあった。胡によれば、香港では一時期、午後6時以降のレストラン内での食事が禁止されたという。「焼き肉は香港で人気料理の一つだが、香港の家庭で炭火焼き肉を用意するのは、アパートの広さの関係で難しい。同時に、一人用の焼き肉店がはやっていた。焼き肉弁当は、いわば一人用焼き肉店の家庭版なんだ」
コロナ禍の孤食の需要にも支えられ、さまざまな年齢層の人たちが弁当を買いに来店したり、配達を依頼したりした。発売から1年ほどで計8000〜1万個が売れたという。
日本や台湾、韓国、米国、英国、オーストラリアなどのレストランから問い合わせがきているという。「日本でもネット販売ができたら」と販路拡大を狙っている。