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「65歳からでも短期間で外国語を習得できますか?」元外交官の答えと上達のコツ

世界でビジネスをするための外国語習得術

ご質問ありがとうございます。

まず、語学の習得開始や学び直しに年齢は関係ありません。むしろ、私は、語学の習得は年を重ねれば重ねるほど有利になると考えています。なぜでしょうか。

短期間で学べるポイントは、とにかく現地で話したいこと、現地の人に聞きたいことを日本語で「あふれるほど」書きだしてみることです。

アウトプットの量が多ければ多いほどインプットは簡単です。しかし、外務省に入省して1年後の25歳でエジプトでアラビア語の研修を開始した当時の私は、社会人経験もなく、日本語で書く内容も未熟でした。ここで、65歳のあなたの強力な武器は、「人生経験」です。

苦しみや悲しみも含め人生経験が豊かなほど、話したいこと、また、関心の領域も広まっているはずで、それに加えて、定年後、バックパッカーとして世界中を回りたいという、「やる気」スイッチに火がついている。目的がクリアになっているあなたは、短期語学習得に実は最適な状況にあるのではないでしょうか。

あなたが、好きな外国語で話せる未来を手に入れられることを切に祈念しています。

頑張ってください。

IPEFについて、あなたの意見を外国語で発信しよう

さて、今回は、グローバルビジネスパーソンにとって必須用語の一つになりつつある「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)についてです。IPEFってなんでしょうか。あなたの考えを外国人に話してみましょう。

インド太平洋経済枠組み(IPEF)の発足会合の冒頭、記念撮影に臨む岸田文雄首相とバイデン米大統領、インドのモディ首相=2022年5月23日、東京都港区、代表撮影

 まず日本語を読んで、ここから自分ならどの単語や表現を使って、自分の意見を言おうかと考えてみてください。英語でなく、日本語で考えましょう。

そして自己発信文を、私が提唱する「自己発信ノート」に書いてみてください。一人称で考えることが重要です。

経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」閣僚級会合でスピーチする米国のレモンド商務長官=2022年9月8日、ロサンゼルス、朝日新聞社

次に、日本語の記事の英語の原文を見ます。

このように選んだ題材の文章を少し加工するだけで、自分の意見を表す文章が完成しました。

自己発信文に戻ると、英単語はいくつかのバリエーションを持っていくことが、語学力を高めるコツになります。これらを踏まえた「オリジナル単語帳」のイメージは下記の通りです。

みなさんに「宿題」です

次の日本語からいくつの外国語(英語)が言えますか?少し日本語を言い換えても構いません。バリエーションの訓練が、ビジネス本番で必ず役に立ちます。大事なことは、伝えること。思いつくかぎりの想像力でトライしてみてください。回答は次回、お伝えします。

 91 明らかにする

92 改善する

93 刺激する

94 介入する

95 容易にする

前回(レッスン17)の回答

86 だます trick, cheat, deceive

87 延期する、遅れる postpone, put off, delay, hold off, adjourn

88 隠れる hide, conceal, secrete in shelter

89 誇張する exaggerate, overstate, stretch, overplay

90 協議する counsel, consult, discuss, confer, negotiate

「おっ」と思わせたら勝ち グローバルビジネスの心得

このコラムでもたびたびお伝えしていますが、グローバルビジネスを成功させるためには、自分や自分の売り込む商品の内容とその背景知識を、外国語で「見える化」しておくことがまずは重要です。

そして、次のステップは、それを本番で実践することです。あなたの企業が有名ですでに顧客先が決まっていればいいのですが、そうでない場合は、新規にネットワークを開拓しなければなりません。異国の地でこれを行うことは大変なハードルです。そして、ビジネスは1回で終わらせてはダメで、2回、3回と関係が維持できないと、大型あるいは質の高いビジネスには発展しないと思います。

要は、顧客に「次もあなたに会いたい」と思わさなければなりません。

私も、アメリカの日本大使館で、多忙なアメリカ人外交官や議員、ビジネスマンと仕事をしていましたが、1回の面会を実現することも相当大変ですが、それを継続することはさらに大変であることを実感しました。

多忙な顧客であればあるほど、たいてい、ビジネスの価値は上がるわけですが、その分、あなたは相手に「値踏み」されていると思っていいでしょう。

若手社員のうちは、そもそも仕事上の経験が浅いので、そういう顧客と真正面から戦っても何も印象に残らないのも致し方がないと思います。

しかし、だからと言って、若手社員が成功しないかというとそうでもありません。若さならではの「斬新な発想」や、「情熱」、あるいは、あなたの得意技、得意分野があれば、是非、アピールしてみましょう。

相手の有する情報より1点でも抜きんでれば、多忙な方でも、あなたが次にアプローチしたときに、あなたの印象が何らか残っているはずです。あうんの呼吸が通じない外国ビジネスでは、アウトプットの「見える化」から一歩進んで、相手を「おっ」と思わせられるかが、勝利への試金石になります。頑張ってください。