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国境の壁で、トランプは自縄自縛に

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メキシコ国境沿いに建設すると訴えている壁の試作品の前で演説するトランプ大統領。2018年3月、カリフォルニア州サンディエゴで=ロイター

How the Border Wall Is Boxing Trump In

1月5日付 ニューヨーク・タイムズ紙

私を含めて多くのアメリカ人が不思議に思うのは、なぜトランプ大統領は史上最長のfederal government shutdown(連邦政府機関の閉鎖)を引き起こしても、border wall(国境の壁)建設を望むのか、ということだ。80万人の政府職員に給料を支払わず、政府機能を一時停止にするほど、壁は重要なのか?その裏話がこの記事で紹介されていて、それを知って私は一層うんざりしてしまった。

裏話とはこうだ。2014年、トランプが大統領選への立候補を検討していた時、アドバイザーらは移民にgetting tough on(厳しい措置を講じる)ことを選挙キャンペーンのsignature issue(特徴的なテーマ)にするべきだと考えた。トランプはスピーチのスクリプトを読むのは嫌いだが、建設者としての自分の才能を自慢することは好きだった。そこでトランプが移民政策について話すのを忘れないようにするため、国境に壁を建設するアイデアにlanded on(たどり着いた)という。トランプが実際にそう話すと、聴衆からrapturous(熱狂的な)喝采を浴び、それはトランプにとってthrilling(興奮させる)ことだった。すぐに壁を建設する話は、彼の選挙スピーチの定番となった。しかし今や、トランプの壁へのfixation(執着)が衝突を引き起こしている。民主党が昨秋の中間選挙で下院の多数を取り、実質的にdivided government(分割政府)になっている。民主党は壁のコンセプトをreject out of hand(真っ向から否定している)ため、impasse(行き詰まり)になっている。移民政策に関するhard―liners(強硬論者たち)も、壁を造ることはそれほど効果的でないと見ていて、彼らの間でも政策として優先順位は高くない。ところがトランプは4年以上(候補、そして大統領として)、壁の建設で支持者らをwhipping into a frenzy(熱狂的に駆り立て)続けた結果、自分自身がboxed in(箱に閉じ込められたように身動きがとれなくなっている)と記事は言う。ある移民政策専門家は、国境の壁というアイデアは選挙のメッセージ戦略としては有効だったが、当選後は「何をするか」が問われているのに、トランプは壁の建設をいまだに自分のテーマにして、自らを攻撃するための武器を民主党に与えてしまっていると指摘している。