2019年最初の記事なので、シリコンバレーの「当たり前」が今年、日本にも登場して、もしかしたら日本でも「当たり前」になる「かも」しれない例をいくつか取り上げてみようと思います。
その1 支払いがスマホになる
ここ数年、ファーマーズマーケットの買い物以外は現金で何かを購入する、ということがない生活を送っていましたが、さらに昨年2018年は、店舗でカード支払いすることもほぼなくなりました。実店舗で買い物すること自体が少なくなりましたが、それでもランチなどの飲食店、スーパーマーケットでは買い物します。バックパックから財布を取り出す代わりにポケットから取り出すのはスマートフォン。その店舗のアプリ、もしくは、私の場合はiPhone ユーザなのでApple Payでお支払いがほとんどです。財布を持たずにオフィスに通勤していたことに2週間後にようやく気がついたことがあります。それくらい財布がなくても生活に支障ないです。友達に何かを立て替えてもらったり、割り勘などの清算も現金でやりとりよりは、個人間送金のプラットフォームVenmoや これまたiMessageを利用したApple Pay を利用することが一般的になりました。フリーランスの友達はギャラの支払いもVenmoで送金されるそうです。
その2 事前オーダー&ピックアップ
朝はオフィスの近くのPeet’s Coffee (サンフランシスコ・ベイエリアに拠点を置くコーヒー・チェーン)でコーヒーの購入が日課ですが、クレジットカードと連携しているPeet’sのモバイルアプリを使ってお支払いします。ランチは事前オーダー(決済済み)してピックアップするだけ。同僚が食後に「スターバックスのグリーンティラテが飲みたい感じ」と言うと、スターバックスのモバイルアプリでオーダー、そして、列に並ぶ一般客を横目にささっとピックアップ。待つことを嫌う ミレニアルズ(今年23-38歳の世代)のニーズに寄り添った「No Time No Line」のサービスは数年前から始まりましたが、導入する店舗数もユーザ数も劇的に増え、普及が加速しています。
その3 ヘルシーなサラダランチ
ランチといえば、私のオフィスがあるサンフランシスコのファイナンシャル・ディストリクトでは、2ブロックにひとつくらいの割合で自分の好みにあわせたカスタムサラダを注文できるサラダ屋さんが存在しています。ヘルシー志向、健康ブームなんでしょうけれども、プロテインやナッツも追加すると結構なヴォリュームで満腹感があり人気です。
その4 無料の社員食堂
サンフランシスコやシリコンバレーのテック系企業やスタートアップでは、Google や Facebookをはじめとして、ランチを無料提供する企業が多いですが(理由はいろいろありますが、朝食やランチ提供がもはやスタンダードなので提供しないと優秀な人材が雇用できない、という背景があります)、最近では、街のレストランビジネスを圧迫している、ということから新しいキャンパスでは無料の社員食堂を禁止する条例を出しているエリアも出始めました。
その4 フレーバー付きスパークリングウォーター
ミレニアルズとその下の世代はアルコールの消費量が減りお酒と距離を置く人口が増えていると言われていますが、コーヒーも上の世代と比べるとやはり飲まない傾向にあります。日常的に飲んでいる若者も、質のいい睡眠を確保するためにカフェイン摂取は午後1時までや、2時までと早めの時間を決めている人が多いです。
その代わりではないのでしょうけれども、よく飲まれているのがスパークリングウォータ。シリコンバレーのテック企業の冷蔵庫(もちろん無料で提供されます。)でも必須アイテムなのがLaCroix(ラクロワ) や、Hint (ヒント)などで、シュガーレス&ゼロカロリーの炭酸水にストロベリー、スイカ、洋ナシ、ココナツなどのフレイバーがほんのり入っています。単に水や白湯を飲むよりは楽しいし、気分もアガるということで、世代を超えて人気があります。LaCroixは、ユーザがインスタ映えするシーンを次々とInstagramにポスティングし始めたことがきっかけで急成長しました。
もうひとつのトレンドはフレーバー入りの水。こちらもオフィスに行くとかならず用意されています。お水にフルーツ、レモン、きゅうり、オレンジなどが入っていて、従業員が仕事の合間に手にとって飲んでいます。このあたりは、日本の企業も導入しやすいかもしれないですね。
シリコンバレーのトレンドが今年日本にもくるかもしれないアイテムをいくつか予測してみましたが、ぜひシリコンバレーでトレンドになって欲しい日本の「当たり前」もいくつもあります。例えば、ウォシュレットとか、満員電車ではバックパックを下ろして足元に置いてよ、などなど。
次の記事でも、シリコンバレーの生活者レベルのトレンドをもう少しご紹介します。