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【1分でわかる】トランプショックで世界の医療がピンチ!? 日本が救世主になる日

1分でわかる○○ 更新日: 公開日:
with Planetが主催したイベント「元番記者と聞く!武見敬三さんと考える日本のグローバルヘルス戦略」の様子=2026年2月27日、東京都中央区、葛谷晋吾撮影
with Planetが主催したイベント「元番記者と聞く!武見敬三さんと考える日本のグローバルヘルス戦略」の様子=2026年2月27日、東京都中央区、葛谷晋吾撮影

国境を越えて人類の健康問題に取り組む「グローバルヘルス(国際保健)」。いま、大国の政策や紛争の影響で、その資金が激減するピンチを迎えているのをご存じですか? 日本はこの危機にどう立ち向かうべきか。2026年2月に開催された、武見敬三・元厚生労働相と記者たちによるトークセッションの内容を分かりやすくまとめました。これからの世界と日本の役割を考えるヒントが満載です!

この記事は、朝日新聞 withPlanet で2026年4月1日に配信された記事を再構成してお届けします。本編はこちらから

ざっくり要点

1.  米国のWHO脱退など「トランプショック」で世界の医療支援資金が激減中
2.  「UHCナレッジハブ」が東京に誕生、新たな国際協力の拠点に
3.  対立する国同士でも医療分野なら協力できる!「保健外交」が持つ平和への力  

もっと知りたい

1, 資金不足のピンチとトランプショック

近年、世界の保健医療を支える支援資金が大きく減少する危機に直面しています。その大きな原因の一つが、2025年にトランプ米大統領がWHO(世界保健機関)からの脱退を表明し、対外援助機関を事実上解体した「トランプショック」です。さらにウクライナやガザでの紛争など、緊迫する国際情勢を受けて各国が防衛費を優先した結果、医療分野への支援が後回しにされています。日本も感染症対策のための基金への拠出を半減させるなど、厳しい状況が続いています。

2, 東京に誕生した新たな支援拠点

資金が減る逆風の中、日本は新たな国際貢献の形を模索しています。2025年12月には、途上国の保健や財務に関わる人材を育成する拠点「UHCナレッジハブ」が東京に発足しました。武見さんは、アメリカの支援縮小でできた「保健外交の真空地帯を埋める役割を、日本が戦略的に担える状況ができている」とその意義を強調しています。途上国が自らの力で国民の健康を守れる体制づくりを日本が後押しすることが、これまで以上に求められています。

3, 医療支援は国境や対立を超える力になる

グローバルヘルス(国際保健)の取り組みは、対立する国同士でも協力しやすいという特別な力を持っています。過去を振り返ると、冷戦下のアメリカとソ連でさえ、ポリオや天然痘といった感染症対策では手を取り合いました。武見さんも「健康は、損なえば他のあらゆる選択肢が失われるという意味で、人間の安全保障の中核をなしています」と語っています。医療分野での協力は、地政学的な対立を和らげ、国境を越えた平和な関係を築くための強力な武器になり得るのです。

ちょっと深掘り

記事のキーワードでもある「UHC」とは、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」の略称です。すべての人が、経済的な困難を抱えることなく適切な予防や治療などの医療サービスを受けられる状態を指します。実は、日本がこのUHCを世界の目標に掲げるため大きく貢献してきました。SDGs(持続可能な開発目標)にUHCの達成が盛り込まれた背景にも、日本が大きな役割を果たしたそうです。