【1分でわかる】ケニアの村で300人を救え! 日本の大学生が挑む「顧みられない熱帯病」
この記事は、朝日新聞 withPlanet で2026年5月25日に配信された記事を再構成してお届けします。本編はこちらから
1. 激痛や歩行困難を招く「スナノミ症」。日本からの留学生4人が、ケニアの村で患者の支援に取り組んだ
2. 薬の提供だけでなく、予防のために靴を配り、床のセメント化も実施
3. 絵本での啓発やサッカー大会を通じ、患者を苦しめる偏見や差別の解消にも挑んだ
1, 激痛と歩行困難を招く「スナノミ症」と貧困の現実
スナノミ症は熱帯の貧困地域で蔓延する「顧みられない熱帯病」の一つ。体長約1ミリのノミの一種スナノミの雌が足の皮膚に潜り込んで激痛を引き起こし、歩けなくなることも。NGO「Waka Waka Kenya(ワカ・ワカ・ケニア)」メンバーで、ケニアに留学中の日本人学生4人が支援を実施した農村では、計311人の患者が集まった。栄養失調や他の感染症も抱える患者もいて、学生たちは「重症患者が一人で生きていくのは難しい」と過酷な貧困の連鎖をまざまざと感じさせられました。
2, 治療だけでは終わらない。「再感染」と「差別」への対策
スナノミは乾いた土に生息するため、治療しても土間で裸足の生活に戻れば再感染してしまいます。そこで学生たちは患者に靴を配り、一部の家屋で床をセメント化しました。この病気は人から人には直接うつらないのに、「呪われている」とののしられるといった偏見や差別が根強く残っています。学生たちは手作りの絵本や紙芝居で正しい知識を伝えたり、治療後に靴を履いて暮らすきっかけ作りも実施しました。
3, スポーツを通じた心のケアと、学生たちの描く未来
現地で7~12歳の男女を対象にしたサッカー大会も企画しました。感染歴に関わらず一緒にプレーすることで、偏見を乗り越えるのが狙いです。一連のプロジェクトを終え、帰国した代表の学生は「情熱だけでなく資金の持続可能性が必要」と痛感し、AIを活用したビジネスを通じて開発途上国の課題解決に挑戦したいと話しました。他のメンバーも国際機関で働く夢を抱くなど、若者たちはこの経験を自分たちの未来へしっかりと繋げています。
途上国での支援活動というとお金のトラブルを心配しがちですが、学生たちは現地で全く逆の経験をしています。NPO関係者の家に泊めてもらった際、お礼として食費を払おうとしたところ、「ゲストをもてなすのは常識。お金のためではない」と怒られたそうです。「互いに助け合うのは当たり前」という現地の豊かな文化と人の優しさに直接触れられたことは、学生たちにとって大きな学びになったのではないでしょうか。