1. HOME
  2. World Now
  3. 【1分でわかる】顧みられない熱帯病・マイセトーマに苦しむ人々 セネガルから報告  

【1分でわかる】顧みられない熱帯病・マイセトーマに苦しむ人々 セネガルから報告  

1分でわかる○○ 更新日: 公開日:
細菌性のマイセトーマに感染したカリファ・ムバイさん
細菌性のマイセトーマに感染したカリファ・ムバイさん=2025年6月21日、セネガル・サンルイ州、藤谷和広撮影

足が大きく腫れあがり、時には切断に至ることもある病気「マイセトーマ」。貧しい地域で広がり、十分な治療が行き届いていない「顧みられない熱帯病」です。医療体制の問題とも深く結びつき、最も弱い立場にある人びとの暮らしを脅かしています。感染が広がる西アフリカのセネガルの現状をお伝えします。

この記事は、with Planetで2025年8月22日に配信された記事を再構成してお届けします。本編はこちらから

ざっくり要点

1.  細菌や真菌の感染で発症する病気
2.  症状はゆっくり進み、放置すると重症化
3.  治療が遅れると切断の可能性もある
4.  貧困や医療へのアクセスの問題が背景に

もっと知りたい

1, マイセトーマの原因と特徴

マイセトーマは皮膚の小さな傷から細菌や真菌が体内に入り感染する病気で、足に発症することが多い。数年かけて菌の塊が大きくなり、最初は痛みがないため気づきにくい。進行すると強い痛みや腫れが生じる。放置すると体中に感染が広がり、死に至る場合もある。

2, 患者が置かれる厳しい現実

セネガルの患者は農業に従事する人が多く、素足で作業する中で傷ができ感染する。症状が進むと働くことができなくなり、日常生活にも大きな影響が出る。治療費や移動費も負担となる。細菌性は抗生物質、真菌性は抗真菌薬で治療するが、長期間の服薬が必要で費用も高い。途中で治療をやめるケースも多く、再発のリスクも高い。重症化すると切断が選択されることもある。

3, 診断の遅れを招く要因

医療機関までの距離が遠く、伝統医療に頼る人も多いため、診断が遅れる。病院に来る頃には症状が進んでいるケースが多い。治療が受けられないことで働けなくなり、貧困に陥るという悪循環が生じる。患者データの収集や診断技術の開発が進められているが、薬の確保や医療体制の整備が大きな課題となっている。病気の優先順位が低く、新薬開発も進みにくい現実がある。

ちょっと深掘り

マイセトーマは単なる感染症ではなく、貧困や教育、医療の問題と深く結びついています。治療できないことが新たな貧困を生み、世代を超えて影響してしまいます。「顧みられない」にどこかで歯止めをかけなければなりません。