【1分でわかる】ファクトチェックの役割とは? 海外報道機関の担当者が語る苦労と工夫
この記事は、朝日新聞GLOBEの特集「SNSと分断 橋を架けるために」の記事として、2025年7月14日に配信されたものを再構成してお届けします。本編はこちらから
1. SNSで個人が自由に情報発信できるようになった半面、偽情報が急速に拡散
2. 英国の公共放送BBCやフランスの通信社AFPは専門チームを設けてファクトチェックを強化
3. AIによって生成された画像や動画への対応が重要になっている
4. 信頼確保と持続可能性が大きな課題となっている
1, なぜ今、ファクトチェックが必要なのか
多くの人がSNSからニュースを得るようになり、噂やデマが広がりやすくなりました。メディアとしては発信情報についての事実確認の重要性が改めて問われます。AFPは2016年の米大統領選で偽情報が大きな問題となったことをきっかけに、17年に予定されていた仏大統領選前に専門部署をつくったそうです。
2, BBCの専門チーム Verifyの体制
BBCの専門チームでは、約60人のジャーナリストが働いています。オンライン調査、ファクトチェック、データジャーナリズムなどの専門スキルを持っているそうです。2024年の米大統領選では、ワシントンDCにもチームを設けました。配信する記事の多くは、42言語に翻訳され、世界中の視聴者に届けています。
3, AFPも「現地語対応」を重視
AFPの担当者は、多くの偽情報が現地語で拡散していることから、各地にいる地元の記者に、一次資料のチェック方法や調査報道技術を学んでもらうようにしていると説明します。月に600~700本のファクトチェックの記事を出していて、特に選挙や大ニュースのタイミングで多く発信しています。
4, 読まれにくいという課題。それでも
ファクトチェックは、非常に手間のかかる作業です。AFPの担当者はさらに、読者の反応は「ほどんどがネガティブなもの」と明かします。ただ、ファクトチェックをする立場として、「人が何かを決めるときに事実に基づいて判断できる状態をつくりたい」という思いで偽情報に向き合っていると言います。
ファクトチェックは万能ではありませんが、情報の透明性を高め、報道機関にとって視聴者や読者との信頼関係を築く重要な取り組みです。社会にある分断を埋める役割も担っていると言えるのではないでしょうか。