中間管理職の「報われ度」を報酬から分析 6カ国比較 課長・部長でも最低レベルは?

マーサーは世界130カ国・地域の5万社以上を対象に、平社員から経営トップまでの総報酬を調査している。総報酬は手当や賞与なども含んでいる。
同社に「マーサー総報酬サーベイ2024」をもとに、日本、アメリカ、英国、中国、韓国、インドの6カ国(中国は都市別のデータがあり、北京とした)のデータを抽出してもらい、グラフ化した。元のデータには入社直後からの総報酬が示されているが、グラフの起点は入社3~7年目から経営トップまでに区切った。日本は1300社以上が調査対象になっており、うち日系623社のデータだ。グラフ中の課長や部長といった役職の実線は、日本の場合は大企業クラスを目安としている。
アメリカは入社時点から他の5カ国と比べて高い水準を保っているが、経営幹部になると、中国やインドが上回ってくる。ただ、アメリカの経営者の中でも、トップ中のトップとなると、非常に高い報酬を得ている。英国と韓国はともに同じようなカーブを描いており、良くも悪くも安定的だ。
日本はどうだろうか。課長や部長に就いても、昇進に伴う報酬アップが小さく、全体のカーブも緩やかだ。日本の課長の報酬(約1466万円※1ドル143円で計算)はインドのそれ(約1125万円)を上回っているもののこの時点で5位。部長になると抜かれてしまい(日本約1953万円、インド約 2007万円)、最下位になっている。中間管理職として報酬面の「報われ度」を他国と比べると、低いことが分かる。
インドは全体のカーブが急上昇しており、「偉くなりたい」と考える人が多い理由の一つになっているのかも知れない。