スタートアップワールドカップは今回で6回目の開催。アメリカ・カリフォルニア州に拠点を置くベンチャーキャピタル(投資会社)の「ペガサス・テック・ベンチャーズ」(代表・アニス・ウッザマン氏)が主催している。コンテストを通じて、有望なスタートアップを「発掘」し、提携を望む大企業につなぐことも狙っている。
国内では東京予選のほか、すでに京都予選が開かれ、8月には九州予選も開催。それぞれで1位となった計3社が日本代表として決勝大会に出場する。
東京予選で1位となったデジタルエンターテイメントアセットは、日本人らが創業したスタートアップ。同社は、職業をテーマにしたデジタル上のカードバトルゲーム「JobTribes(ジョブトライブス)」などを運営し、プレーを通じて同社側が独自に発行する暗号資産を入手することができる。
同社がコンテストで紹介した事業の一つは、ユーザーが社会貢献もできるゲーム「ピクトレ」。ユーザーはスマホで電柱を撮影し、それらを線でつないだ際の距離などをチームごとに競う遊びだ。
撮影された画像データは東京電力のグループ企業に共有され、電力設備の保守管理などに生かされる。画像によって、電柱に鳥の巣が作られている状況が判明することがあり、停電のリスクを回避することにつながるという。ユーザーは成績に応じてポイントが付与され、暗号資産などに交換できる。
登壇した創業者で共同CEOの山田耕三氏は「ゲームユーザーが楽しんだ結果、街が守られる。単なるお仕事発注ゲームではなく、参加した人たちはエンターテイメントを体験したと思える」と話した。
1位の発表を受けて、山田氏は「日本のとんち、『うまくやってやろう』という工夫を世界の困りごとに応用できると思うので、いいチャンスを頂いた」と決勝大会への抱負を語った。