カリフォルニア、ワシントン、メーン州など少なくとも10州で、3人の親権は法律で認められています。非公式に認めているところは実際にもっとあるでしょう。
私は、2007年に法律事務所を立ち上げて以来、数千の家族を支援してきました。3人または4人の親をもつ家族のために共同養育契約書を作っています。全国各地の家庭の調停役として、経済的な負担や共同養育の方法について合意する手助けをしています。
3人親への関心はここ15年ほど、増え続けています。多様な家族への理解が進んだことや、生殖補助医療の進展が背景にあるのでしょう。このことは、従来の核家族を超えた、より包括的な家族の定義について、無料配信動画「TEDトーク」で話したところ、様々な言語に訳され、1年で200万回近く再生されたことも物語っています。
法的に認められた3人親で多いのは、女性の同性カップルが友人の男性から精子の提供を受け、その男性が父親にもなると決めるケース、両親が離婚して再婚し、子どものために再婚相手が親権をもつケースです。
多くの研究者は、安定と愛情があれば、大人の構成がどうであろうと関係ないことに気づいています。裁判所の認識も、生物学的なつながりよりも、法的な親子関係があることの方が重要で、子どもから親の存在を奪わない方がいいというように変わってきました。
アメリカでは、子どもの半数以上が、最初の母親と父親といっしょに暮らしていたときとは別の家族構成で暮らしているのが実情で、二つの家庭を行き来している子どもも多いのです。ほとんどの州で、共同親権が認められています。
これまで多くの離婚の場面も見てきましたが、オープンにコミュニケーションをとっておらず、家族のタイプを型にはめようとして起こっていることが多いと言えます。すべての家族、人間関係は一様ではないことに気づいていません。
合意のうえで複数の人と恋愛関係をもつポリアモリーは、一見すると過激に思えるかもしれません。ですが、別居したり離婚したりして、いまの家族とは別に義理の家族がいる人もたくさんいます。自分の親以外に、兄弟姉妹や祖父母と同じ家でいっしょに暮らしているケースもあります。このような「拡大家族」のネットワークは、私たちにとって身近なものです。
実際、子育てには多くのサポートが必要です。3人親のように、自分のために尽くしてくれて愛してくれる大人が増えることは心強い。一緒にいて疲れない大人が増えることは、子どもにとってもよいことです。親にとっても、疲弊していない状態で子育てにのぞめます。3人親と言わず、これからは4人、5人と増えていくのではないでしょうか。
ヘイトメールや殺害予告を受けることもあります。母親と父親以外の家族構成をもつことを恐れているのでしょう。それでも私は人々に他の選択肢について考える自由をもって欲しいと思います。家族のあり方の例を多数示すことで、悩んでいる人たちの力になりたいと思い、活動しています。