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「日本にいながら海外文化を体験」早見優さんが語るインターナショナルスクールの魅力

People 更新日: 公開日:
インタビューに答える早見優さん=2022年11月29日、東京都内、坪谷英紀撮影

英語と日本語のバイリンガルのアイドルとして1980年代に一世を風靡(ふうび)した歌手の早見優さんはデビュー前にアメリカンスクールに通っていた。

米国の大学に留学中の2人の娘も通学していた。

早見さんにインターナショナルスクールと国際教育について語ってもらった。

――1982年にデビューする前に、アメリカンスクール・イン・ジャパン(東京都調布市)に通われていたそうですね。

14歳でハワイから帰国し、デビューするまでの1年近く在籍していました。帰国子女で文化的になじめないこともあったのですが、学校の中はアメリカという感じですごくほっとしました。

授業はレベルが高く、なかでもフランス語の授業が厳しかった。先生から教わったフランス語の文法の基礎がとてもためになり、その後、大学で2年間フランス語を履修した時に役に立ちました。

日本の学校に比べると比較的自由で制服もなく好きな格好で登校し、化粧をしている子もいました。学校の体育館で行われるダンスパーティーはとても印象に残っています。アメリカの映画で出てくるような感じで、飾り付けされた会場でみんなで踊るんです。男の子たちと交流したりして、ハワイでは女子校に通っていたので新鮮でした。

――その後、デビューしてからは堀越高校に転校したそうですが、日米で学校の違いを感じましたか。

日米の違いを意識したのは、デビュー後に堀越高校に行ってからです。日本の学校に通うこと自体が初めてで、授業の内容や校則などすごく苦労しました。

アメリカンスクールはソフトランディングの意味ではよかったのですが、日本の学校に入って急速に文化に慣れないといけなかった。今思えばそれはとても私にとってはよかった。もしアメリカンスクールにずっといたら、芸能活動を続けていけなかったかもしれません。

アメリカではクラスで1人だけ違う意見でも、しっかり自分の考えを述べる、わからないことがあったらすぐに手を挙げて聞くという教育を受けていました。堀越で授業の最後に先生に「何か質問あるか?」と言われると、私は必ず手を挙げて質問していました。あとで友だちが「ああいう時は質問しないのよ。わからないことがあれば私たちに聞いてもらえればいいから」と言われて、「そうなんだ」と思った記憶があります。

早見優さん。自らのyoutubeチャンネルで英会話のこつについて披露する=2022年11月29日、東京都内、坪谷英紀撮影
早見優さん。自らのyoutubeチャンネルで英会話のこつについて披露する=2022年11月29日、東京都内、坪谷英紀撮影

家族みんなアメリカンスクールに通う

――日本で育った娘さん2人もインターナショナルスクールに通われたそうですね。なぜですか。

2人も6歳から11歳まで西町インターナショナルスクール(東京都港区)に通い、その後大学に入学するまで私と同じアメリカンスクールに通いました。

夫も私も英語教育で育ったので、娘たちも似たような環境で育てることがベストだと思いました。

西町インターは日本と欧米の言葉と文化をパラレルな状態で学べる学校です。日本の文化、日本語を大事にしていて、独自のカリキュラムがあります。欧米の先生には「バーイ」と手を振りますが、日本人の先生には「先生きょうはありがとうございました」とお辞儀をします。言語と文化は密接していますから、日本語を話しているときには日本人的な心をもつことが大切だという教育をしています。 

――インターナショナルスクールの魅力は何ですか。

娘たちがアメリカンスクールに移ってからは、私もPTA活動に6年間携わりました。活動を通して、新しいカリキュラムを導入する際に、学校がどのように導入しようとしているのか、導入にあたっての先生の教育の仕方などを見ることができました。

いまのインターはグローバルに対応できるような子どもを育てることが、教育方針の核にあると思います。いろいろな文化、宗教、価値観に対応できるよう教育されています。

私がデビューしたころは、英語を話すと生意気だとか格好をつけてるとか言われましたが、それは今はない。今は便利なアプリが発達していて、英語を学ぶ必要がないと言う人もいますが、私自身母語でないフランス語を勉強したときに感じたのは、よその国の言葉を勉強することでその国の文化に触れることができることです。すごく生活が豊かになると思います。 

留学してわかる日本の良さ

――娘さんたちは現在アメリカの大学に留学中だそうですね。早見さんが学生だったころと、娘さんたちの世代の違いはありますか。

娘たちはいま、アメリカの大学で学んでいます。長女は4年生で教育や児童心理を、2年生の次女は物理学を専攻したいと言っています。留学しようと決めたのは娘自身の選択です。インターを卒業し留学した子どもたちは母国から遠く離れて通学しています。娘たちはどこのインターか、大学にかかわらず交流しているようです。

Z世代は海外とか国内とかボーダーがないと思います。国境を越えてすごく大きな視野で見ています。2人が大学を卒業後どのような道に進むかはわかりませんが、日本に帰ってくるとか、向こうでずっといるとか、そういう感じではないと娘たちと話していてすごく感じます。

不思議だったのは、2人とも日本を離れた方が日本文化を強く意識していることです。

「日本はこんなにすてきな所だったんだね」と会話することが多いです。東京は治安がよくて安心して歩けたとか、食事のこととか、日本が恋しいと言っています。

日本にいながら日本と海外の両方の文化を体験できるという意味で、インターナショナルスクールはとてもいい環境です。海外からも日本のインターに通う人が増えていると聞きますが、生徒たちがその後世界に行って日本の文化を発信してくれたら、日本人としてとてもうれしいですね。