マラウイに恋した大学生、現地で歌手デビュー
アフリカを旅する
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マンゴーの木の下に座ってヤム料理を食べていたら、美しい女性に出会った♪
筑波大学に通う大林格(いたる)さん(24)。国際関係学を専攻し、「自分ができることを探りたい」と、1年生の時から世界有数の貧困国として知られるマラウイに足を運んだ。小学校で運動会を企画したり、病院を訪問したり。2017年には筑波大学を休学し、マラウイ大学に留学。電気も水もないホームステイ先で暮らした。
近所の2歳児が栄養失調で亡くなり、妊娠や生活苦で学校を中退する少女たちに出会った。女子教育の大切さを伝えようと、現地の音楽家と一緒に作詞・作曲した歌を動画サイトに上げると、地元テレビなどで取り上げられ、街を歩けば呼び止められた。19年11月には、地元の人気歌手との新曲「Ukanene Zoona(You will miss me)」を配信した。
曲は、マラウイの女性に恋した日本人男性が、帰国する時の切ない思いをつづった恋愛ソング。「上から目線で何かしてあげるのではなく、国や人種に関係なく、自分たちは平等な人間なんだということを伝えたかった」
大林さんは12月16日、他の休学経験者と一緒に執筆した「休学を選んだ日本人」(日本橋出版)を出版。来春からは、アフリカに進出する日本の総合商社で勤務する予定だ。採用面接では、「アフリカ好きなら誰にも負けない」と訴え、内定をもらった。「今度は社会人として、お世話になった土地に戻りたい」と夢見ている。