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アメリカは地獄の崖っぷちから一歩戻る

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中間選挙の日、ワシントンの連邦議会議事堂と沈みゆく夕日=ロイター
中間選挙の日、ワシントンの連邦議会議事堂と沈みゆく夕日=ロイター

America steps back from the abyss

11月7日付 ワシントン・ポスト紙

米国の中間選挙直前の数週間、トランプ大統領は自分の政治基盤となる支持者をrally(激励する)ため、様々なvulgar(品のない)振る舞いを見せた、と記事は指摘する。人種差別的な広告を出したり、移民キャラバンは危険だとfabricate(でっち上げ)たりした。大統領令で憲法を改正すると脅しもした。多くの人がそれらを鵜呑みにし、トランプを支持する共和党の候補者に投票するのではないかと思われた。実際は、トランプのugliness(浅ましさ、酷さ)が、それらを上回る反対者をbrought out(投票所に向かわせた)。その結果、この選挙はトランプへのrebuke(叱責)になったと記事は言う。

民主党は下院の支配権を奪回し、複数の州知事と州議会の支配権も確保。上院は支配権を取れなかったが、上院100議席のうち共和党の非改選議席が42議席あるなど、そもそもlong shot(可能性が非常に低かった)。とはいえトランプが2年前に勝ったところで今回、民主党候補がbreezed(楽々と当選している)。記事が出た後、接戦の多くは民主党候補の勝利が明らかにもなった。投票までの道のりを見ると、実は、民主党にとってはheadwinds(逆風)での勝利だった。州政府を支配する共和党によるgerrymandering(自党に有利になるように選挙区を引き直すこと)で不利になり、popular vote(一般投票)で共和党より約7%多く得票しないと勝てなかった。民主党に投票する傾向にある少数民族や低所得層へのvoter suppression(投票の手続きなどを難しくして投票を抑制すること)の影響も否定できない。その上、一般に経済状況が良いと、野党に不利とされる。

トランプが当選した時から、米国はabyss(底知れぬ深い穴、奈落の底)に落ちるのではないかと感じていた。今回の選挙結果からは、記事の見出しの通り、米国が崖っぷちからsteps back(一歩離れた、戻った)と感じてホッとした。記事は米国政治のthe tide has turned(流れが変わった)と指摘しつつ、今後2年間、トランプと彼のsycophants(おべっか使いたち)が国民を騙したり怖がらせたりすることも十分予想できると言う。米国を正しい方向に戻すには、まだかなりの努力が必要であることは間違いなさそうだ。