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中国当局の過干渉? 「その離婚、ちょっと待った」

ニューヨークタイムズ 世界の話題
その離婚に待った? 中国では政府が夫婦に離婚を再考するように促すことも……=本文と写真は関係ありません。写真はBerliner Verlag/Steinach/picture-alliance/dpa/AP

 それは「新婚ゲーム(The Newlywed Game)」(訳注=新婚カップルがお互いに相手のことをどれだけ知っているかを試す米の人気テレビ番組)に似ているが、こちらの場合は離婚についてのこと。

 中国のいくつかの地方では行政当局が、離婚したいという夫婦に再考を促すためのテストを課している。誕生日や好きな食べ物など配偶者のことをもっとよく知っていれば知っているほど、離婚を回避できるというのだ。

 テストは少なくとも二つの省で昨年から実施されているが、穴埋め式、短答式、小論文という典型的な学校のテスト様式を踏まえている。「結婚記念日はいつか」といった平凡な問いもあれば、「あなたは家族に対する責任を果たしてきたか」という哲学的な設問もある。 

 中国では最近、離婚率が上昇している。主に働いている女性たちから離婚したいと切り出すケースが目立つ。しかし行政当局は、社会の安定維持を目的に、離婚を思いとどまらせたいとしている。

 江蘇省連運港市のリウ・チュンリンの話として、地元紙「長江晩報」が伝えたところによると、テストは15問、計100点満点で、「衝動的な離婚」を食い止めるために考案された。成績が60点以上なら「ヨリを戻せる見込みがある」として、当局が夫婦に結婚生活を続けるよう促すという。

 「カップルが(離婚届を出す前に)テストに向き合うことで、新婚時代を思い出したり、家族の役割や責任を考えたりできる」。同市の婚姻関係部門の責任者のリウは、そう地元紙に語っている。

 ニューヨーク・タイムズは担当者に直接話を聞こうとしたが、実現しなかった。テストが現在も行われているかどうかの質問に、リウの事務所のスタッフは返答を拒んだ。

 国営メディア「iFeng」が政府民政部(訳注=日本の総務省に相当)の調べとして報じたところによると、中国では2017年の前半だけで200万組近い夫婦が離婚。前年同期より11%も多い。また、結婚している全カップルのうち離婚しようとした夫婦は、2002年が1%弱だったが、昨年は約3%に増えた。

 四川省宜賓市の裁判所は昨年9月、テストで高得点だった夫婦の離婚を認めなかった。

 香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、最高人民法院(最高裁)のデータを引用して、中国全体で昨年、婚姻を解消したカップルの70%以上が妻側の主導で離婚届を出したと報じた。主な離婚理由は性格の不一致だが、家庭内暴力を挙げたケースも15%ほどあった。

 国家当局は、安定した社会は完全なる家族によって形成されるという儒教の教えを持ち出して離婚を食い止めようとしている。「仲むつまじい家族こそが社会全体の調和をもたらす」。連雲港市の担当者リウは、そう言っている。

 中国政府は、宗教の問題や妊娠など国民の私的な家族生活のさまざまな側面に干渉してきた。

 「(中国では)結婚と家族は社会を安定させる要素とみなされており、政府は男性にも女性にも結婚生活を続けてほしいと願っているのだ」とレタ・ホン・フィンチャーは指摘する。「Betraying Big BrotherThe Feminist Awakening in China(独裁者を裏切る――中国におけるフェミニストの目覚め)」という本の著者である。

 連雲港市の離婚回避テストが中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」にアップされると、すぐに中国人のインターネットユーザーたちから批判が出た。

 「結婚記念日を覚えているからって、離婚できないの?」との書き込みがあった。「離婚と健忘症は関係ないぞ」

 「彼らは大人だろう、大人には離婚する権利があるんだ」という書き込みもあった。

 連雲港市の担当者たちは、そうした批判に反発した。

 「夫婦がもう一度、冷静になって真剣に考え直すのを促すのが(離婚回避テストの)主たる目的だ」。担当部局は、批判的なコメントに対抗し、そうウェブに書き込んだ。(抄訳)

Tiffany May©2018 The New York Times

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