【1分でわかる】和食は地球を救う? 健康と環境の両方に優しい日本の食文化
この記事は、朝日新聞SDGs ACTION! で2024年5月29日に配信された記事を再構成してお届けします。本編はこちらから
1. 和食の健康度を測る「和食スコア」を開発、高い国ほど健康寿命が長い
2. スコアが高い国は、環境負荷も低い傾向
3. 柔軟に食事を楽しむ視点も大切です
1, 「和食スコア」の誕生
これまで、和食が健康に良いという科学的な論文はほぼ存在せず、世界で共通して使える客観的な指標がありませんでした。そこで、今井教授のチームが「和食スコア(TJDS)」を開発。米や魚、大豆、野菜などを高く評価し、小麦や赤肉などを低く評価して計算します。世界132カ国を対象に調べた結果、このスコアが高い国ほど肥満や心臓の病気が少なく、健康寿命が長いことが分かりました。
2, 健康だけでなく、地球にも優しい食事
さらに、このスコアを使って151カ国を対象に環境への影響も調べました。すると、和食スコアが高い国ほど、土地利用や温室効果ガスの排出量、酸性化物質の排出量、水利用量が少ないことが判明したのです。つまり、和食を多く食べる国は、人間の体だけでなく地球環境への負荷も少なく、SDGsが目指す「持続可能な社会」の実現に大きく貢献する可能性を秘めているということです。
3, 完璧を目指さず、柔軟に楽しむことも大事
和食が素晴らしいからといって、課題がないわけではありません。例えば、お米を育てるには大量の「水」が必要なため、効率的な水利用や肥料の適切な使用が求められています。また、今井教授は「和食がいちばんいいと主張しすぎる必要はない」とも語っています。地域によって調達できる食材は異なり、食事には「楽しむ」という大切な役割もあります。特別な日は好きなものを食べるなど、柔軟な姿勢を持つこともポイントだそうです。
特定の食事パターンが健康に与える影響の指標としては「地中海食スコア」などがありましたが、和食に関する科学的な論文はほぼ存在しなかったとのこと。和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたのは2013年。それ以降、世界からヘルシーだと注目されてきました。今回の今井教授が客観的な指標を開発したことで、食生活の異なる集団同士を比較できるようになりました。