スタートアップワールドカップはテック系のスタートアップへの投資事業などを手がけるベンチャーキャピタル「ペガサス・テック・ベンチャーズ」(本社=アメリカ・シリコンバレー)が主催し、今年で5回目。世界約50の国と地域で予選があり、世界一を決める決勝戦は今月1日、アメリカ・サンフランシスコで開かれた。アイリスなど世界各地の10社の代表らが出場し、自社の事業などをプレゼンした。
アイリスはのどの画像と臨床情報から感染症の診断を支援する事業を展開しており、AIを搭載した独自の医療機器を開発、販売している。この機器でのどを撮影することで、医師が病気の診断を短時間でできるよう目指している。
記者会見の冒頭、沖山氏は医療機器について「開発に協力いただいた患者さんは約1万人。医師や看護師、医療事務の方は多分500人以上。そういった方々が『あのときの協力がここ(優勝)につながっているんだ』と思ってもらえるとうれしいです」と感謝した。
主催側によると、アイリスは決勝戦で、すべての審査員から1位の評価を得たという。沖山氏は「医師はのどを必ず診察しますが、のどの(症状の)データベースを作っている会社もAIも活用している会社も(うち以外は)はないんですね。そこが評価された部分」とした上で、「私たちの事業は誰にとっても『自分事』になりやすい領域だったこともあると思います。コロナ禍をへて感染症の検査は多くの人が受けているので」と振り返った。
今後の展望について、沖山氏は次のように語った。
「最初に治験と承認を取ったのはインフルエンザの判定に使うことだったんですが、AIを搭載したカメラによってのどの画像から(医師が)診断していくというのがこの事業のコンセプトなので、まだ病名は開示できませんが、ほかの病気についても広げていきたいというのが次のステップです」