ノーベル平和賞はイランの人権活動家ナルゲス・モハンマディさん 女性抑圧と闘い服役
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ノルウェーのノーベル委員会は10月6日、2023年のノーベル平和賞を、イランの著名な人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)に授与すると発表した。同委員会のライスアンデシェン委員長は、受賞理由にモハンマディさんの「イランの女性に対する抑圧と闘いと、すべての人の人権と自由を推進するための闘い」を挙げた。
イスラム教を国教とするイランでは、イスラム法を厳守する政策がとられ、特に女性の権利を抑圧し、差別していると欧米を中心に批判が高まっている。2022年9月には22歳の女性マフサ・アミニさんが、髪を覆う布「ヒジャブ」をきちんと着けていないとして風紀警察に逮捕された後、急死した事件をきっかけに政権への抗議デモが同年代の学生たちを中心に国内外に広がった。
ノーベル委員会によると、モハンマディさんは2011年以降、13回逮捕され、5回の有罪判決を受け、合計31の禁錮刑と154回のむち打ち刑を言い渡されている。エンジニアやエコノミストとしての顔を持ち、2003年に平和賞を受賞したイラン人女性の法曹家シリン・エバディ氏らがテヘランに設立した「人権擁護センター」の副所長でもある。
モハンマディさんは現在もイラン国内で服役しており、12月にノルウェーの首都オスロで開かれる授賞式に出席できるかは不透明だ。