アデランスは2009年、「世界の成人男性薄毛調査レポート」を出した。
世界21の国と地域における薄毛率の差などを明らかにする狙いで、4人の調査員が2組に分かれ、代表的都市の3カ所で肉眼で調べたという。
最も薄毛率が高かったのはチェコで、スペイン、ドイツと続き、この3カ国は4割超。アメリカは4割弱となっており、欧米に多く見られるのは確かなようだ。
日本は約27%で14番目。調査国平均は下回ったが、アジアでは最も高かった。
韓国は約22%、中国は最も低く、約19%だった。
レポートは原因について、遺伝をまず挙げ、さらに先進諸国で少子高齢化が進んでいること、ストレス、食生活の変化などを指摘している。
調査は1982年から続けていたが、この2009年の発表分を最後にやめたという。同社の広報担当は「こうした調査手法自体が時代にそぐわなくなったという判断と思われます」としている。
性別で見るとどうだろうか。
リクルートの美容に関する研究調査機関・ホットペッパービューティーアカデミーは10月、「薄毛に関する意識調査2022」を発表した。
「薄毛である」と答えたのは男性26%、女性8%。
このうち「とても気になる」「やや気になる」の合計は男性が約76%、女性は約94%だった。
気になりだした年齢の平均は男性37.9歳、女性41.1歳という。
薄毛になったらどうするかでは、治療やウィッグなどの対策を「すると思う」は男性約13%、女性約33%と倍以上の差。
男性は「特に対策はしないが、目立たないように坊主・短髪にすると思う」と髪形による対応を考える人が約23%あったが、同じ項目で女性は約15%にとどまった。
日本毛髪工業共同組合によれば、国内のウィッグ市場のうち、55%は女性向けという。
薄毛は男性の視点から語られることが多かったが、悩みを抱えている女性は多い。