去年のクリスマス休暇前、新型コロナウイルスのワクチンについて、3回目となるブースターショット(追加接種)を受けました。2回目は5月に接種したのですが、アメリカでも変異株のオミクロン株が猛威を振るい始めていたからです。
3回目については、ギリギリまで迷いました。しかし、感染力の強いオミクロン株対策に加え、「人は移動するほど幸せを感じる」という研究結果が示すように、私自身の「遠出したい気持ち」がもうマックスに。ロサンゼルス方面へのロードトリップを予定していたこともあって、接種を決断しました。
この頃、周囲の大人はだいたいもう接種済みだったように思います。
さて、皆さんも気になるであろう副反応についてです。2回目と同様、打った数時間後から倦怠感が襲い、翌日も微熱。1日寝て過ごしました。
私が接種したワクチンはモデルナ製だったのですが、3回目の摂取量はそれまでと比べて半分と聞いていたので、「副反応ないといいな」と期待したのですが、私の場合ははっきりと現れました。
イスラエルでは4回目が始まっていましたし、「このワクチン摂取、いつまで続くの?」と気持ちが沈みましたが、2日後には体調も回復していました。
もちろん、副反応は個人差があるので、一般的な情報はメディアや製薬会社が発表している臨床試験結果のデータなどを参照していただければと思います。私の周りでは、頭痛や軽い震えなどを訴えた人がいる一方、「今回は出なかった」という人も、割と多くいたように思います。
サンフランシスコなどのレストランの屋内飲食は、ワクチンの接種証明書の提示を義務づけていますが、2回ではなく、3回の接種の証明を必須とするレストランもあります。
IT企業「メタ」(旧フェイスブック)が従業員に対し、出勤する場合にはブースター摂取を必須とするなど、ビジネスや医療現場でも労働者たちにブースター接種を義務化する動きもでてきました。
アメリカでは年明け早々、1日当たりの新規患者数が100万人を超えるようになりました。
私の子どもが通う中学校の先生やほかの生徒、仕事の関係者や近所に住む人たちの間でも、ここ数週間で感染者がどどどっと増えました。
オミクロン株の感染力が強いのを実感したのは、子どもの周りで陽性者が相次いだことです。
例えば一緒にお弁当を食べているグループの1人が感染しましたし、日頃からハグをしまくっていた友だちも陽性となりました(この時期、ハグはやめて欲しいですが)。数学の授業を担当していた先生も感染しました。ちなみに、教員不足を補うため、私の子どもが通学する中学校では、日当160ドルから225ドルで臨時で勤務できる代用教員を募集しています。四年制大学を卒業していれば教員資格は不要です。
校内で感染者が相次いだため、ラピッド抗原テストも始まりました。感染が判明した人と「15分以上にわたって2メートル以内に接近していた」場合にはこのテストを受けることになりました。結果は15分でわかります。
現在、私の子どもの身近な友だちで感染した人数は7人にのぼります。
私が住む学区にある小学校では、クラスで感染者が出た場合、まず全員に自宅での検査キットが配布され、ネガティブ(陰性)であればいったん通学が認められますが、5日後に再度全員が検査に臨みます。
アメリカの他の地域では、「学校閉鎖した」したり、「もしかしたらまたオンライン授業に戻るかも」と準備したりしているエリアもありますが、私が住んでいる学区は、できる限り回避する方向で対応しています。
一方、街中にあるPCR検査場は大混雑していて、検査を受けるのも一苦労です。ラピッド抗原テストも品切れ状態ですが、自分で購入しつづけるのもそれなりに費用がかかるので、学校から提供されるのはありがたいです。バイデン政権は、1世帯当たり毎月4個の自宅用市販検査キット提供を決定し、先日オンライン受付が開始されました。
我が家は年末、旅行をして人が集まるところに行きました。今のところ幸運にも検査の結果はネガティブが続いています。
でも、「かかりたくないけど、かかるのは時間の問題かもしれない」という思いで日々を過ごしています。
オミクロン株の感染力の強さを実感するもう一つの理由は、この1カ月のうちに感染した友人や知人は全員、ワクチン接種済みだったことです。
そのうち大人について言うと、大半が3回目のブースターを終えていました。子どもの友人たちも2回接種済みでしたが、それでも「ブレークスルー感染」しました。
感染した友人たちによると、症状は「普通の風邪程度だった」「眠くて腰が痛かった」「症状はほとんどなかった」と、「風邪に近い」と報道されている通りの場合もあれば、「木曜日に症状がではじめて、翌週の火曜日に回復した」「結構しんどかった。寝汗もすごかった」という人もいました。
どちらにしても感染者数が増えることで入院患者の増加などにつながりますし、回復しても倦怠感や睡眠障害などの後遺症が続く「ロング・コビット」も気になるところなので油断は禁物です。
昨年12月ごろから感染者の急速な増加が続き、過去最多の新規患者数が確認されているアメリカですが、パンデミックが始まった当初にくらべると比較的人々は落ち着いて生活している印象です。
トランプ前政権が国家非常事態宣言を発令した2020年3月ごろは、何かの発表ごとに衝撃が走り、日本や他の国同様にショッピングパニックが加速し、棚から商品が消えていきました。
レストラン、スポーツジム、美容院なども閉鎖に追い込まれ、学校もその後1年以上実際に通学することなくオンラインの授業に切り替わりました。スーパーマーケットなども入店できる人数が制限されましたが、今回はそういったことはなく、この状況をなんとかやり過ごそうとしています。
なるべくかつての生活を変えないように対処しようとしているのは、ワクチンを接種した人はオミクロン株に感染しても症状が比較的軽いと言われていることや、国も経済活動の停滞をなるべく避けようとする判断があったからだと思います。
とはいえ、オミクロン株は感染拡大がとても速く、私自身、いつ感染してもおかしくない状態だと思っています。
多くの人が免疫を獲得することでウイルスもいくところがなく、近々ピークアウトするのではないか、と言われているのが希望の光です。それまでは、日々の基本的な感染予防を丁寧に継続していこうと思っています。