「ライブオン」でミンヒョンが演じたのは、放送部部長のウンテク。完璧主義者で、自分にも他人にも厳しい性格だ。ミンヒョンは「ウンテクと僕とは似ているところが多い。整理好きで、時間や約束に厳格なところ。計画的に生活するのが好きなのも似ている。ただ、ウンテクはよく怒るけど、僕は怒ることはあまりない」と言う。我慢するというよりも、そもそもあまり怒りを感じない性格なのだという。インタビューの受け答えでも、落ち着いた穏やかな性格のように感じた。
ウンテクは放送部だが、ミンヒョンは高校時代は練習生として忙しくて「あまり覚えていない」ほどで、中学生の頃には卓球部や映画鑑賞部などで活動したという。「出身が釜山で、海に近かったので夏にはウィンドサーフィンも楽しんだ。うまくはないですけど。映画も好きで、いつか映画にも出演したい」と話す。
ドラマ序盤でたびたびウンテクを怒らせるのは、新たに放送部に入ってきたホラン。ホランはSNSインフルエンサーとして校内で羨望と嫉妬の対象となっていて、自分の過去を暴こうとしている犯人を探す目的で放送部に入部した。不純な動機で入部し、自分勝手な言動で放送部をかき乱すホランをウンテクは部から追い出そうとするが、だんだんホランのことを知るうちに惹かれていく。
ホランを演じたチョン・ダビンは、子役から活躍する演技歴の長い俳優だ。ミンヒョンは「チョン・ダビンさんの方から台本の読み合わせをしようと声をかけてくれたり、僕のクローズアップの場面は、チョン・ダビンさんはいなくてもいいのに、僕が演技がしやすように前に立ってくれたり、おかげ様でとってもやりやすかった」と話す。
とは言え、初めてのドラマ出演で主役というのはプレッシャーではあった。「撮影現場に行くまでに最大限の準備はして挑んだけど、現場のカメラの多さやスタッフの多さに圧倒されもした」と振り返る。一方、同じ年頃の俳優たちと過ごす現場は活気ある雰囲気だったという。「撮影でみんながそろった時には一緒に話したり、楽しかった。数ヶ月ずっと一緒に過ごしたので、撮影が終わって寂しい」とも。
ミンヒョンの誕生日には、NU'ESTのメンバーたちがサプライズで「コーヒー車」をプレゼントした。コーヒー車というのは、撮影現場で俳優やスタッフたちにコーヒーを提供する車で、韓国では差し入れを車ごと送る豪快な文化がある。「すごくうれしかった。メンバーたちはドラマを見て、セリフをまねしたり、応援してくれたのがありがたかった」
「ライブオン」はウンテクとホランのロマンスがメインだが、周りの高校生たちの恋や悩み、成長していく様子が描かれた青春ドラマだ。「多くの先輩俳優たちが、最初は青春ドラマでスタートしているので、僕も制服を着て学園ものに出てみたかった」と、ミンヒョン。
演技に関心を持つようになったのは2019年、ミュージカル「マリー・アントワネット」に出演してからだ。「演技がおもしろいと感じるようになって、もっとうまく演じたいと欲がわいてきた。ウンテクは自分と似ている役だったので、自分とは違った役にも挑戦してみたい」と話す。
歌は幼い頃から好きで、歌手が夢だった。「釜山に住んでいたので、ソウルで芸能事務所を回ってオーディションを受けるのは難しく、大学で実用音楽科に進もうと思っていた」と言う。ところが、中学3年生の時にスカウトされ、練習生になった。2012年に5人組グループNU'ESTとしてデビューし、韓国内外で人気を集めるが、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響でコンサートやファンミーテイングはオンラインでの開催となった。「今年は状況が少しは良くなって、ファンの皆さんに直接会える機会が増えるとうれしい」と切に願う。
「ライブオン」は、日本ではCS放送局「衛星劇場」で4月14日から放送される。「俳優としてドラマを通して日本の皆さんにもお会いできるのはうれしい。コロナの中で多くの人の努力でできた作品なので、楽しんで見てほしい」と、日本の視聴者へのメッセージを語った。