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ゾンビもの続く韓国 世界が注目する映画「半島」公開

現地発 韓国エンタメ事情
「半島」ポスター

2016年7月に韓国で公開され、1150万人もの観客を動員した大ヒット映画「新感染 ファイナル・エクスプレス」から4年。その後映画やドラマでゾンビものが次々に登場し、K-ゾンビとも呼ばれるほど世界的に人気となった。その「新感染」の続編にあたる「半島」(原題)が15日、韓国で公開された。「新感染」に続き「半島」もカンヌ国際映画祭へ正式招待され、日本を含む185ヶ国での上映が決まっている。

「半島」ポスター

「新感染」の韓国の原題は「釜山行」だった。釜山へ向かうKTX(韓国高速鉄道)を舞台に展開するゾンビものだ。「半島」は公開がちょうど4年後となっただけでなく、内容的にも「新感染」の4年後を描いている。監督は「新感染」と同じヨン・サンホ監督。

「半島」というタイトルは、もちろん朝鮮半島を指しているのだが、半島の外からの視線を感じる言葉だ。映画の冒頭では4年前、「新感染」と同時期の「新感染」には登場しなかった別の家族が描かれている。ゾンビに襲われた半島を脱出すべく船に乗った家族だ。だが、船内で主人公ジョンソク(カン・ドンウォン)は大切な家族をゾンビから守り切れず、脱出先の香港で希望のない4年を過ごす。廃墟となった半島へ、ジョンソクが再び乗り込むことになったのは、そこに残された大金の回収が目当てだった。

9日に開かれたメディア向け試写会の後、記者会見が開かれ、監督や出演者が作品への思いを語った。主演のカン・ドンウォンは「ジョンソクはヒーローのようなキャラクターではない。むしろミンジョンの家族がヒーローだと思う。希望を失っていたジョンソクはミンジョンの家族に出会って再び希望を持ち始める」と話した。ジョンソクは軍人出身で戦闘能力は高いが、カン・ドンウォンの指摘する通り、むしろ半島で生き残っていたミンジョン(イ・ジョンヒョン)やミンジョンの娘たちの活躍っぷりが痛快だった。

主演のカン・ドンウォン=NEW提供

特にミンジョンの娘ユジン(イ・イェウォン)は主要キャストの中では最年少で、緊張感の続く映画の中で天真爛漫、オアシスのような存在だった。記者会見でも現に誰もが認めるトップスター、カン・ドンウォンについて「有名な人とは最初知らなかった。周りの人に昔人気だったと聞いて不思議な気がした」と、あっけらかんと話し、出演者も報道陣も一斉に吹き出した。

光と音に反応するというゾンビの特性は「新感染」と共通だ。だた、4年後の「半島」ではそのゾンビの特性を分かった状態でいかにゾンビを避けて大金を獲得し、再び半島から脱出するか、が描かれた。出演俳優の一人は「遊園地のような映画」と評した。20分にわたる大規模なカーチェイスをはじめ多種多様なアトラクションが楽しめるような映画という意味だ。CGなど技術力の高さにも感嘆するが、ヒューマンドラマの部分もきちんと押さえている。ヨン監督は「みんなが半島から脱出しようとするが、実はどこにいるかよりも、誰といるかが大事なんだと思う。主人公は普通の欲望を持った普通の人。『新感染』と同様、普通の人を描いたつもり」と話した。

襲いかかるゾンビ=NEW提供

カン・ドンウォンも語っているように、ジョンソクが「普通の人」ゆえに観客は感情移入しやすい。見どころ満載だが、ジョンソクの人間としての成長が描かれたのが、余韻として響いた。

ゾンビものでは「半島」に先立ってユ・アイン、パク・シネ主演「#生きている」(チョ・イルヒョン監督)が6月24日に公開され、7月12日現在、観客数178万人を超えるヒットを記録している。「半島」が、回復しつつある韓国映画界の起爆剤になり得るか、注目が高まっている。