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出会いに飢えた若者たち、クラブ営業中止で「出会い系飲み屋」へ 韓国

東亜日報より
「いつ入れるかな」と入店を待つ客ら。9日午後10時ごろ、ソウル市麻浦区西橋洞の出会い系飲み屋前。20人余りの客が入店しようと列に並んで待っていた。彼らは最低1メートル以上は間隔をあけるようにという「生活防疫」の指針を守っていない。しかも大半はマスクをあごまで下げて会話していた。

「クラブはやらないみたい。じゃあ、今日はここ(出会い系飲み屋)にずっといるしかないな」

9日午後9時ごろ、ソウル市麻浦区のある飲み屋の前。入るのに列に並んでいた20代男性が笑いながら言った。この飲み屋からわずか10メートルのクラブの入り口に麻浦区の公務員3人が「集合禁止命令書」を貼っているのを見てのことだ。

彼らが並んでいた店は、いわゆる「出会い系飲み屋」。飲み屋だが、クラブのようにその場の出会いが可能という意味で付けられた名前だ。この日午後10時ごろに飲み屋から出て来た男性は「6時の開店に合わせて来たのに10分以上待って入った」と話した。

ソウル市龍山区梨泰院のクラブなどで新型コロナウイルス感染症の集団感染が発生し、ソウル市が9日、遊興施設について無期限の集合禁止命令を出した。しかし、クラブなどの遊興施設が閉まると、20、30代は出会い系飲み屋に集まるという「風船効果」が起きた。一般飲食店に分類される出会い系飲み屋は、遊興施設の集合禁止命令の対象から外れてしまったためだ。

東亜日報がこの日午後7時半から3時間、麻浦区にある出会い系飲み屋3ヶ所を回った結果、どこもにぎわっていた。入店待ちの人が20~30人常に並んでいる状態だった。この日は雨が降っていたが、入り口横の傘立てには、100本余りの傘がささっていた。

ここでは「生活防疫」などは別世界の話だ。スタッフは入り口で入店客を対象に発熱チェック、訪問客の名簿作成、マスク着用の確認をしてはいた。ただ、待機する客の半分以上はマスクをあごまで下げ、間隔などあけずに集まって会話していたが、それを止めることはなかった。壁に貼られた「2メートル間隔をあけて待機」という案内文は誰も気に留めないようだった。

中の様子はもっと深刻だった。9日午後10時10分ごろ、麻浦区のある出会い系飲み屋の中に入ると、客83人のうちマスクをつけているのは1人もいなかった。10人が集まって座る大型テーブルでは、グラスを回し飲みしたり、鍋料理を各自分けずに一緒に食べたりしていた。

出会い系飲み屋を訪れた朴さん(24)は「クラブで集団感染が起きたというのは聞いたが、不安には感じない。ここはそこまで接触は多くない」と笑った。朴さんを含む一行の3人は、しばらくして同席した女性3人と互いにひじが触れ合うくらい密着して座っていた。

若者が多い一般の飲み屋でも、やはり空席を探すのは難しい。9日午後8時ごろ、麻浦区のある飲み屋は最大200人まで入る大型店だが、すべてのテーブルが埋まっていた。しかしながら、スタッフを除いてマスクを着用している人は1人もいなかった。

窓がなく、換気も難しい地下の飲み屋も同じような状況だった。9日午後8時ごろ、麻浦区のある飲み屋では80人余りがぎっしり座っていて、間を通るのも難しいくらいだった。李さん(26)は、「毎週末、ここでビールを1、2杯飲む。これまで問題はなかった。このくらいは大丈夫だと思う」と話した。

疾病管理本部の鄭銀敬(チョン・ウンギョン)本部長は10日、会見で「健康な若者は新型コロナに感染しても大した症状のないまま回復することもある。ただ、若者の感染が地域社会に広まれば、高齢者や基礎疾患のある人には致命的だ。弱者に対する配慮をお願いしたい」と呼びかけた。

ソウル市が9日、クラブなどの遊興施設に事実上営業中止に該当する集合禁止命令を発令したのに続き、10日、京畿道と仁川市もクラブやルームサロンなどの遊興施設について2週間の集合禁止命令を出した。

(2020年5月11日付東亜日報 イ・ソヨン、キム・ハギョン、イ・ギョンジン記者)

(翻訳・成川彩)