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韓国で名作が再上映「ブラザーフッド」のカン監督も涙 コロナがくれた皮肉な贈り物

東亜日報より
カン・ジェギュ

19日午後7時、なかなか見られない大物映画人たちがソウルのCGV龍山アイパークモールに集まった。

韓国映画としては2番目に観客動員数1000万人を突破した「ブラザーフッド」を作り、韓国映画の「1000万観客時代」を切り開いたカン・ジェギュ監督、「ブラザーフッド」に続き、「哭声/コクソン」「バーニング」「パラサイト 半地下の家族」など数多くのヒット作を撮影したホン・ギョンピョ撮影監督、「銀杏のベッド」「シュリ」「ブラザーフッド」など、カン監督の代表作で音楽を担当したイ・ドンジュン音楽監督の面々だ。

3人が集まったのは、「ブラザーフッド」の再公開に合わせて17日に開かれた「観客との対話(GV)」に参加するためだ。

GVは午後11時を回るまで続いた。4K高画質(UHD·3840×2160)でリマスタリングされた「ブラザーフッド」が17年ぶりに上映され、100人近い観客たちが熱心にカン監督に質問を投げかけた。

カン監督は次のように語った。

「(映画を見て)タイムマシーンに乗った気分。17年という時間のギャップが一瞬で消えてしまったような感じ。それが映画の力なんだと思う。17年前の映画が再公開されるというあり得ないことが起こり、それをまた見に来る観客がいて、彼らと対話することができる。映画を見ている間中涙が止まらなかった」

「ブラザーフッド」は、CGVが韓国映画再上映館「シグニチャーK」をオープンして最初の映画として公開された。新型コロナウイルス感染症で新作の公開が相次いで延期されるなかでの対策の一つだ。

「ブラザーフッド」を皮切りに今年末までCGVがリマスタリングした韓国映画を再公開する。3月は「韓国映画ルネッサンスの始まり」というテーマで、「ブラザーフッド」と「JSA」が選ばれた。

ブラザーフッドの一場面

「コロナが新作の公開を難しくしているが、過去の映画の再公開は、皮肉なことだがコロナがくれたプレゼントのようなもの。時間がたって、昔の映画をまた劇場という空間で見たいという欲求は誰もがあると思う。劇場で感動した経験があるから、10年、20年たっても劇場という空間で同じ映画をまた見たくなるのだ。TVやスマートフォンで見るのとはまったく違う経験」。カン監督はそう指摘する。

「ブラザーフッド」の再公開と同じくらい、カン監督の次作「ボストン1947」に対する映画ファンの関心も高い。

「マイウェイ 12,000キロの真実」(2011)の興行失敗の後、短編映画「ミヌさんが来る日」と、老年のロマンスを描いた「チャンス商会~初恋を探して~」でなんとか息をつなぎ、久しぶりに製作費190億ウォン(約18億6千万円)の大作に挑んだ。

植民地解放から2年後の1947年に開かれた米国のボストンマラソンで世界新記録を打ち立て、東洋の選手として初めて優勝した徐潤福(ソ・ユンボク、俳優はイム・シワン)と彼を指導した孫基禎(ソン・ギジョン、俳優はハ・ジョンウ)の話を映画化した。昨年公開予定だった「ボストン1947」はコロナの影響で今年末まで公開が延期された。

「『シュリ』『ブラザーフッド』『マイウェイ』と3本立て続けに大作を撮って、大作映画に疲れてしまった。『マイウェイ』のポストプロダクションの間に演出依頼が来た大作映画はすべて断った。大作で奮闘してきた私が『ミヌさんが来る日』と『チャンス商会』で人生の休み時間を過ごした。充電したら体が再びうずうずして戦闘力がわいてきた。『ボストン1947』は『ブラザーフッド』と『チャンス商会』の間のような映画だ。脚本の草案はあって、私が草案を脚色し、演出を担当した」。カン監督は強調した。

カン監督には「マラソン監督」という修飾語がつく。4~5年に1度はコンスタントに作品を発表してきたからだ。今年は「ボストン1947」の公開準備中で、昨年9月からは1987年に起こった歴史的事件をもとにスパイスリラー映画のシナリオ作業に入っている。

カン監督はこう打ち明ける。

「今の私が生きていくうえでの答えはやはり歴史にある。過去をきちんと知り、理解することで今日の私が存在し、少しでもよき未来を作っていくことができる。歴史ドキュメンタリーをたくさん見て、インスピレーションを得た部分も多い。今準備している新作は1987年に起きた事件が現在まで影響を及ぼすスパイスリラーだ。非常に敏感な素材なので、どう映画にするのかずいぶん悩んで、悩んだ末に答えが見つかってシナリオを書き始めた。これ以上のネタバレはできない。ははは」

「ブラザーフッド」の再公開で「映画というジャンルの力」を改めて感じたというカン監督は、コロナの後も映画と劇場は健在だろうとみている。
カン監督は2月中旬に公開し、2月末までに44億元(約743億円)を稼いだ中国映画「你好、李煥英(Hi, Mom)」の例を挙げた。この作品は歴代中国興行収入1位の記録を更新するとみられている。

ポストコロナに入っている国では、コロナ以前よりも多くの観客が劇場を訪れる状況も生まれているのだ。カン監督は言う。

「映画とは単純にコンテンツだけではない。予約して、暗い空間に入って、2倍速も一時停止もできないなかで鑑賞する行為全般の複合的な意味がある。人間が作り出した芸術ジャンルのなかで映画だけが持つ美しい力がある。映画の力を信じて、『ボストン1947』も劇場で上映するつもりだ。映画は簡単に売り買いできる物ではないのだから」

(2021年3月29日付東亜日報 キム・ジェヒ記者)

(翻訳・成川彩)