新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)が、韓国社会の「システム空白」事態を引き起こしつつある。全国の幼稚園・保育園の約10%が休園となって保育の空白ができたり、献血者が急速に減ったりしている。中国からの人手が一気になくなり、介護施設などでも人手不足となっている。
保健福祉部などによると、全国の幼稚園・保育園3万7399ヶ所のうち、3日から3188ヶ所が休園している。新型コロナの感染者が滞在した京畿道水原市と富川市、全羅北道の群山市など6つの自治体は管内すべての幼稚園・保育園を休みにした。仁川市中区と京畿道安山市などでも一部休園している。
突然の休園に、保護者たちは子どもを預ける場所を探すのに大変だ。保育園に3歳と5歳の子どもを預けた自営業者の金さん(39)は、「会社員なら休みを取るが、仕事を休むわけにいかず、不安な気持ちはあるが子どもを預けた」と話した。
大韓赤十字社の血液管理本部によると、新型コロナの感染者が確認された翌日の1月21日から2月2日まで、個人の献血者は5万7186人だった。昨年同時期7万7979人から26.7%減った。軍隊など団体の献血はキャンセルが相次いだ。
中国から入国した介護施設の従業員を14日間業務から外すようにという政府の指針の影響も大きい。中国からの同胞(朝鮮族)が人手の多くを占める療養病院では人手不足が深刻だ。京畿道龍仁市のある療養病院は「中国から入国した介護人材を除くと、他の従業員は2倍以上の多くの患者を担当することになる」とため息をつく。
教育部は各大学に中国人留学生の入国に関し、新学期開始の延期勧告を検討している。全体の授業のうちオンライン講義は20%以内とする規制を緩和する方針も検討中だ。
(2020年2月4日付東亜日報 チョ・ゴンヒ、カン・スンヒョン、コ・ドイェ記者)
(翻訳・成川彩)