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ウユニ塩湖に負けない! 日本の海辺に現れる奇跡の鏡面世界

「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を探して 更新日: 公開日:
父母ヶ浜ではこんなアイデア写真も撮れる

こんにちは、絶景プロデューサーの詩歩です。

訪日外国人旅行客の増加やSNSの隆盛により観光スポットが発掘されやすくなったこの数年。私にも様々な自治体さんから「“絶景”でわが町をもっとPRしたい」という依頼を多くいただきます。

例えば茨城県さんとは2016年から4年連続でお仕事をさせていただいていて、「絶景」を核にした観光PRのお手伝いとして、フォトコンテストの運営やモニターツアーの企画、絶景スポットの発信などをさせていただいています。

「絶景」の基準は人それぞれ違いますが、PRする立場である以上、私の中では一定の基準を設けています。残念ながらすべての市町村に「絶景」が存在するわけではないので難しいところなのですが、日頃から考えていると「絶景」にも一定の法則があることに気づきます。

香川県三豊市にある父母ヶ浜

例えば「リフレクション(Reflection)」。英語で「反射」という意味ですが、地面が鏡のように鏡面反射し、空が地面にそのまま投影される光景です。旅先やSNSでの傾向をみると、特に日本人とアジア人(中でも韓国)が好む傾向があるように思います。

きっかけは、10年ほどで一躍話題の観光地になった南米ボリビアの「ウユニ塩湖」です。

ボリビアのウユニ塩湖で星空を眺める観光客。空だけでなくその姿もまた地面に反射している

私も2011年に訪れて、360°のどこまでも続く鏡面世界に感動したものです。このウユニ塩湖の人気がきっかけで、日本各地でも鏡面世界が楽しめるスポットが「まるでウユニ」と取り上げられるようになりました。

(私としては、スポットそれぞれ独自の良さがあるので「まるで◯◯◯」という比喩表現やキャッチコピーには反対なのですが…)

ウユニ塩湖のような360°の鏡面世界は日本にはありません(もしくはまだ発見できていない)が、似たような光景が楽しめるスポットが日本各地で発掘されてきています。

代表格が、香川県三豊市にある父母ヶ浜。

平日にも関わらず若い旅行客が多く訪れていた

瀬戸内海に面した、全長1Kmの砂浜が続く遠浅の海岸です。過去は埋め立てる計画すらあったこの場所が、今や年間30万人が訪れる観光スポットに。市の職員の方が、フォトコンテストの応募作品を見てこの写真が撮れることに気付き、2017年にフェイスブックで紹介したのがきっかけとのこと。

父母ヶ浜ではこんなアイデア写真も撮れる

このリフレクション写真が撮れる大きな地形的特徴は、遠浅の海岸が続き、干潮時に浜に潮たまり(海水が残った水たまり)ができるということ。巨大な水たまりの向こう側にいる人間を、手前が側から撮影すると、このような反射する写真が撮れるのです。

しかしこの地形的特徴は父母ヶ浜だけにあるものではありません。

今年10月に訪れた大分県北部。縞模様になった浜辺と夕日が見られることで有名な「真玉海岸」へ撮影にいきました。

干潮時に浜辺が縞模様になる真玉海岸を高台から撮影

そのときに、気づいたのです。縞模様ができているということは、巨大な潮だまりがあるということ。つまり、ここでもリフレクション写真が撮れる!と。

夕日の写真を撮り終えた後、暗くなる前に急ぎ浜辺へ下りて撮影した写真がこちら。

真玉海岸で撮影したリフレクション写真

暗くなりかけている時間帯なので暗い写真ではありますが、空が地面に反射している光景は父母ヶ浜と比べても遜色ありません。

また、翌朝、今度は別の海岸「糸ヶ浜海浜公園」へ。夕日が見られる真玉海岸とは国東半島の反対側で、ご来光が望める海岸です。

そこで撮影した写真がこちら。

大分県の糸ヶ浜海浜公園で撮影した朝日

こちらも海水浴場になっていることもあって、かなりの遠浅の海岸。少し足が濡れる場所でしたが、朝日と組み合わせてリフレクション写真が撮れる場所が発見できました。このように、「遠浅」「潮だまり」がある場所であれば、あとは気象条件が揃えばリフレクション写真が撮れるスポットになるのです。

また、遠浅ではない海岸にもチャンスが。

こちらは、茨城県にある「大洗サンビーチ海水浴場」。

日没後のため暗いけれど、キレイに浜辺に影が反射している

サーフィンができるほど波がある海水浴場ですが、満潮から干潮に向かう時間帯にはこんなリフレクションの光景が見られます。

地形な特徴としては、ビーチは砂がとてもきめ細かく、引く波が地面の砂浜を平らになるので、濡れて平らな地面が「鏡」の役割が果しているということ。

また2017年にSNSきっかけで話題になった「鳥取砂丘がウユニ塩湖に見える?」の写真も、同じ条件で撮影されています。

鳥取砂丘での一枚。完璧なコンディションではなかったものの、キレイな反射がみられた

まだ他にも、ここにはあげていないけれど同じようなリフレクションが楽しめるスポットが数多くあります。

島国ニッポン、「海辺」は数え切れないほどあるはず。地域振興を考えている方や、地元で写真撮影を楽しんでみたいい方は、ぜひ「海辺」で奇跡の一枚を探してみてはいかがですか?

★詩歩さんの自身初めてとなるガイドブック「ダナン&ホイアン PHOTO TRAVEL GUIDE」(ダイヤモンド・ビッグ社、税込1,650円)が11月28日に発売されました。