1. HOME
  2. Travel
  3. 絶景を守るのは、一人ひとりの気持ち

絶景を守るのは、一人ひとりの気持ち

「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」を探して
前日の開花状況と天候を見て、急遽訪れた世羅高原のひまわり畑(広島県)

絶景プロデューサーの詩歩(しほ)です。

わたしは月に最低1回は海外、そして最低3回は国内の絶景を取材しにあちこち訪れています。

この8月で言うと、これからのスイス訪問に加え、広島の世羅高原のひまわり畑と尾道、静岡の柿田川公園、三重県の熊野大花火大会、神奈川の座間ひまわり祭りなどを撮影してきました。

世界遺産の「獅子岩」のシルエットと熊野大花火大会

そうして取材していて思うのが、絶景は「生き物」だなあ、ということです。

わたしが選ぶ「絶景」は自然の風景が多いですが、空の星は毎日動くし、太陽光によって湖の色も変わる。桜だって開花する花もあれば散る花もある。そんな「生きる」絶景の、一度限りの最高の「表情」が見たくて、世界中を駆け巡っています。

絶景を見に行くことを「絶景ハンティング」と呼んでいますが、これが本当に難しい!

今年もたくさんのひまわりを見に行きましたが、ひまわりは大概種を蒔いた日から開花日、そして満開の日が予想できます。

そのため、例年の開花状況や播種の日を確認しながら、だいたい1ヶ月ほど前から撮影候補日程を2-3日確保。その後、直前の1週間前になったら天気予報とにらめっこして候補日を固め、最終的にはSNSのリアルタイム写真で、その日にそのスポットへ行った方の写真を見て、花の状態を確認します。

その上で「よし明日は行ける!」と確信した翌日、新幹線へ飛び乗ってそのままで全国へ、ということが常です。

前日の開花状況と天候を見て、急遽訪れた世羅高原のひまわり畑(広島県)

こうしてスケジュールとタイミングを練りに練った結果、思い通りの景色に出会え、カメラに収められることは本当に嬉しいです。

しかし最近困っているのが異常気象。予測したタイミングで見たい光景を見られないことが多くなってきています。

今年で言うと、豪雨。世羅高原は被害が少なかったですが直撃された場所も多く、座間のひまわり畑は根本からなぎ倒されている花も多く、見ているだけで悲しくなってきました。

台風の直撃でなぎ倒されたひまわりの花。本来であれば一面が黄色い絨毯のようになるはずだったが…(座間市)

このような瞬間的なものだけでなく、人命に関わる地球全体の深刻な問題も多いです。

猛暑やまた厳寒によって死者が出たというニュースも年々多く聞くようになりましたし、森林や海岸も減ったりして生態系が崩れ、絶滅する生物も跡を絶ちません。

私が2016年に訪れたアイスランドの観光スポット「ヴァトナヨークトル氷河の洞窟」も、昨年は気温上昇で洞窟が溶けて崩落の危険が高まり、観光できない日が多かったようです。

氷河の内側が溶けて洞窟となるヴァトナヨークトル氷河(アイスランド)

温暖化は地球のサイクルと言われてしまえばそれまでですが、人間による過度な開発によって美しい自然や生態系が破壊されていくのは心苦しいです。

私は幼い頃から地球環境問題に関心があり、大学でも環境問題を専攻していました。きっかけは覚えていないのですが、小学生の頃から、家中の電気を消しまくっては、親に呆れられていたものです。

当時から思っているのが「塵も積もれば山となる」。

地球温暖化もごみ問題も、突き詰めれば人間一人ひとりの意識、モラルが原因だと思います。「自分だけ、今回だけ」という甘い考えが、積もって山となっていきます。

絶景を見たあとに、平気でその場にゴミを捨てる人を何人も見ました。日本の観光スポットでも、観光客によるごみ問題等に悩み、スポット自体を閉鎖してしまった場所まであります。どうして美しい景色でゴミを捨てるなんてことができるのか、私には全く理解ができません。

昨年閉鎖された「備瀬のワルミ」。2016年訪問時に撮影(沖縄)

今はまだ、大学で学んでいたような地球環境問題に携わる仕事はできていません。

しかし、今の活動の中で世界中の貴重な景色や自然の素晴らしさを発信することで地球の美しさを見て、知って、理解してもらうことで、少しでも多くの人に地球環境について考えるきっかけを提供できたらいいなと思っています。

★詩歩さんの新刊「絶景を旅するシンプル英会話50」(KADOKAWA、税別1400円)が9月10日に発売予定です。