こんにちは、絶景プロデューサーの詩歩です。
皆さんは「サスティナブルツーリズム(Sustainable Tourism)」という言葉を聞いたことがありますか? 直訳すると「持続可能な観光」、その意味は観光地を本来のままの姿で後世に受け継ごうという観光スタイル。「環境破壊」「オーバーツーリズム」「ゴミ問題」など観光による問題が多発している今、海外を中心に必要性が高まっています。
しかし、いきなり「環境に優しい旅行を」と言われてもハードルが高いはず。では実際にどんなことを意識すべきか、私が住む京都を事例にご紹介します。
シェアサイクルで移動する
公共交通機関も発達し駐車場も多く整備されている京都市内ですが、おすすめしたいのは「シェアサイクル」。
24時間アプリから借りられる自転車サービスで、私自身も「PIPPA」や「kotobike」などをよく利用します。
市内の至るところにポートがあり、料金も15分/60円〜とかなり手頃。自転車なら渋滞も関係なく、気づけなかったお店や風景にも出会えてメリットもたくさんあります!
混雑を避ける
京都の観光問題といえば「オーバーツーリズム」。住んでいる私自身も強く実感していました。バスに乗れない、ゴミのポイ捨て、騒音…。住人だけでなく、混雑は旅行客自身にもストレスです。
その状況を避けるために、有名スポットよりもマイナーなスポットを選んで観光してみるのはいかがでしょうか。例えば有名な嵐山でも、渡月橋周辺は常に混雑していますが、10数分歩けば静かな寺社仏閣巡りができます。
それでも人気スポットへ行きたい!という方は、ピーク時を避けた「ずらし旅」がオススメ。例えば清水寺は「朝6時」から開門しているので、早朝観光にオススメです。
アメニティは家から持参する
私が旅行に行く際に欠かせない持ち物のひとつが「my歯ブラシ」と「myヘアブラシ」。宿へ行けばアメニティとしてもらえますが、一度使って捨てるなんてもったいない!
ゴミの削減を意識することは、サスティナブルツーリズムの大切なひとつ。私は部屋備え付けのペットボトルの水も極力飲まず、水道水を沸かして飲むようにしています。(海外は除きますが)
ホテルや飲食店は、ローカルな場所を選ぶ
京都旅行では、ホテル選びや飲食店も楽しみのひとつ。そんなときに意識してほしいのは、その店が「ローカル」かどうか。
その地域の観光を持続可能にするには、地域に直接お金が落ちるのがベスト。飲食店も地元食材を使っていた店舗を選んだり、地域に根付いた宿を選んでみたりするのも良いでしょう。
私がおすすめするのは、四条河原町に2020年にオープンした「GOOD NATURE HOTEL」。サスティナブルやSDGsを謳わずとも、施設やサービス全体が環境に配慮された心地よい空間で、地域とのつながりを感じられます。
泊まるだけでサスティナブルツーリズムができるホテル。宿泊だけでなく、ランチやカフェ、ショッピングだけでも利用できるので、ぜひ京都旅行で立ち寄っていただきたい場所です!
海外のサスティナブルツーリズム事例
サスティナブルツーリズムに関しては、海外と比べ日本はかなり遅れています。
例えば海外では「パラオ」が先進国のひとつ。2017年から入国時に「パラオ誓約書」(環境を守りながら観光することを誓約するもの)への署名が義務付けられ、環境税も観光客全員から徴収されます。
また、クラゲと泳げる人気スポット「ジェリーフィッシュレイク」は、クラゲの繁殖状況によって人の遊泳可否を決めています。ここ数年間禁止が続いていましたが、2019年に再開したばかりでした。またパラオ全体で「日焼け止め」も環境に配慮したもの以外使用禁止になっています。
2万人の人口に対して毎年15万の観光客が訪れるパラオ。観光立国だからこそ、国を上げて持続的な産業にしていこうという強い意志を感じます。日本でも観光産業で成り立っている地域は多いはず。目の前の利益ももちろん大切ですが、少しずつ次世代を意識していく必要があると考えます。
もちろん受け入れる側だけでなく、私たち旅行者自身が意識をかえていくことが一番大切です。執筆時点ではコロナ禍のためすぐには取り組めない部分もありますが、ぜひ今後の旅先選びにぜひ意識してみてはいかがですか?