絶景プロデューサーの詩歩(しほ)です。
大型のゴールデンウィーク。わたしは令和最初の旅として、小笠原諸島へ旅をしてきました。
2011年に世界遺産に登録された小笠原諸島。
東京から1,000Km離れた島には空港設備はなく、アクセス手段は船のみ。それも片道24時間かかり、船は週1便しか運行していません(クルーズ船など特別な便を除く)。そのため、小笠原へ旅行するには、最短でも5泊6日の滞在が必要です。
そんな限られた人だけが上陸できる島!ずっと憧れていた場所についに行くことができたので、その様子をレポートします。
乗船する船は、想像以上に立派。
2016年に就航したばかりの船は、レストランやシャワー室などの設備が整った大型船です。
半個室でくつろぎながら、小笠原グルメを食べて、胃袋から小笠原旅の準備を整えていきます。
想像以上にあっという間だった船旅を終えると、そこはもう南国。
ゴールデンウィーク期間中も晴天に恵まれた小笠原諸島では、ジリジリとした太陽が出迎えてくれ、半袖でも暑いほどでした。
小笠原での滞在スケジュールはこちら。
小笠原の魅力といえば、なんと言っても大自然!
世界自然遺産の登録理由でもある「固有種の多さ」は、あのガラパゴス諸島にもひけをとらないほど。歴史上一度も陸続きになったことがない土地のため、多くの生き物が独自の進化を遂げています。
1日の上陸人数が制限されている「南島」では、「扇池」の絶景を満喫しつつ、1,000年前絶滅したとされるヒロベソカタマイマイの半化石に触れ、生物を守る大切さを学びました。
南島周辺の海、クジラの親子に遭遇。初めて見る野生のクジラの大きさのダイナミックさ、そしてその近さに歓声をあげてしまいました。
また、小笠原の暖かさを象徴するような「ハートロック」。父島の断崖絶壁にある巨大な断層で、その直径はなんと200m以上!
何万年もかけて断層がずれつづけハートの形になり、偶然この部分だけに赤土が流れ込んで赤く染まったそう。なんともロマンチックな話!自然の芸術とは、まさにこのことです。
父島内にも、地球の歴史が感じられる場所がたくさんあります。
小港海岸には「枕状溶岩」という珍しい地形が。数千年前に海底火山が噴火したあと、溶岩が海底で急速に固まり、それが隆起して地上に出てきたものだそう。
海底火山が噴火して成立した小笠原の古代史を、現代にも感じられるスポットです。
それ以外にも、絶海の孤島ならではの満天の星空!
“令和の初日の出"も、小笠原では楽しむことができました。
それ以外にも、このInstagram時代ならではの“映えスポット"も。
父島の境浦海岸には、干潮時のみアクセスできるフォトジェニックなブランコが。
日帰りで訪れた母島には、絶景を独り占めできるカフェもありました。
そして、旅行には欠かせないご当地グルメ。
小笠原でしか食べられないもの…それは、ウミガメ。
今なお日常的にウミガメを食べる小笠原は、実はアオウミガメの繁殖に世界で初めて成功した場所。生態的にウミガメを保護しながら漁を行っているため、総数としては増加しているとのこと。
まさに人間と自然の共存ですね。
宿やレストラン、インターネット事情など、想像以上に整備が行き届き、旅行し易い環境が整っていた小笠原諸島。
片道24時間というハードルはあるものの、それを乗り越えられた人だけが楽しめる体験が、ここにはありました。
小笠原のお見送りは、「さようなら」ではなく「行ってらっしゃい」。
自然の美しさ、人の温かさに触れ、また帰ってきたくなる場所が、ここにはありました。
ぜひ小笠原でしか出会えない感動を、味わいにきませんか?