Fashion Houses Try to Kick the Plastic Habit
4月27日付 ウォールストリートジャーナル紙
私は洋服のほとんどを通販で購入している。届いたドレスやスーツはいつもプラスチック製のハンガーに、靴下はプラスチック製フックに、それぞれ掛けられている。ハンガーやフックを取り外すのは面倒で、しかも外した後はゴミの山になる。なぜハンガーなどに掛けられているのか不思議に思っていたが、この記事はその理由を説明する。小売店はメーカーから受け取った商品をfloor ready(すぐに売り場に出す)ようにしたいので、ハンガーを要求するらしい。その結果、年間約40億本ものハンガーが使われ、捨てられ、landfill(埋め立てゴミ処理地)行きになるというのだ。
ハンガーは、この記事に紹介されている衣料業界が抱えるプラスチック問題の一例に過ぎない。衣料業界は電子機器や建設業界などよりも多くのプラスチックを利用する。洋服の材料の63%はプラスチック由来で、ハンガーや包装、買い物袋などにもプラスチックが使われているという。プラスチックは衣料業界のmainstay(柱)と言っても過言ではない。
環境問題がますます深刻になるなか、今のような状態を続けることは難しい。特に若い消費者は、衣料業界による環境へのtoll(被害)を気にする。そのため、fashion houses(高級服のメーカー、ブランド)は生産方法や運送をoverhauling(見直している)。しかしコストを上げずに、eco-friendly(環境に優しい)代用を見つけるのは簡単ではない。
この記事では様々な会社のkick the plastic habit(プラスチックを使う習慣をやめる)取り組みを紹介している。Burberryは再生可能なショッピングバッグや一部コーヒー用のプラスチックカップから作られた包装を使い始め、今年中にはハンガーと衣装袋を環境に優しい素材に変えると発表している。Stella McCartneyは、プラスチックの素材のポリ塩化ビニールをphased out(段階的に減らした)。代わりにリサイクルしたペットボトルから作られたポリエステルを利用。Ralph Laurenは、オンライン販売品を送付する際、ハンガーや衣装袋などを入れない。デザイナーGabriela Hearstは衣装袋に、植物由来のcompostable(堆肥にできる)素材を使うという。
記事に紹介されている32歳の消費者は、Everlane社のジャケットに魅力を感じたそうだ。理由は、再生ペットボトルから作られているから。彼は最近、自分が買う物について意識を高め、環境に優しいブランドを求めているそうだ。若者の口語を使って、sustainability(持続可能性、環境に負担がかからないこと)はコンセプトとして、とてもdope(素晴らしい)だ、と説明する。14~34歳のアメリカ人消費者の3分の1が彼と同じように考えているそうなので、衣料メーカーのエコ努力はこれからも続くであろう。