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韓国の人気音楽番組「ショー!音楽中心」の舞台裏

現地発 韓国エンタメ事情 更新日: 公開日:
MBC「ショー!音楽中心」司会の3人。5月11日の回は、「SF9」のチャニ(左)はお休み。中央は「gugudan」のミナ、右が「Stray Kids」のヒョンジン=MBC提供

K-POPが世界中で大人気の韓国では、音楽番組も充実していて、毎日のように放送している。今回はその中でも代表的な音楽番組、MBCの「ショー!音楽中心」の生放送を観覧した。

韓国を訪れるK-POPファンの活動としても、音楽番組観覧は人気だ。今回は取材申請をして傍聴券をいただいた。番組によっては観覧が有料の場合もあるが、「音楽中心」は無料。抽選で傍聴券が配られる。

NU'EST=MBC「ショー!音楽中心」より

MBCがあるのは、ソウルのデジタルメディアシティーといって、SBS、YTN、tvNなど、放送局の集まった場所。生放送は毎週土曜日午後3時35分からだが、余裕をもって午後2時ごろに行くと、すでにものすごい行列ができていた。一緒に行ったK-POP専門家でラジオDJの浜平恭子さんによると、ファンクラブ別に入場枠があり、その列なんだそう。よく見ると、出演アーティストごとに列があって、この日の最長はボーイズグループ「NU’EST(ニューイースト)」だった。

NU‘ESTは最近、急激に人気が上昇しているグループ。ボーイズグループ「Wanna One(ワナワン)」の解散に伴い、ミンヒョンが元々所属していたNU’ESTに復帰したのが、その主な要因だ。この日(5月11日)の生放送に行くと周りに言うと、一様に「いいな!NU’EST見られて!」という反応が返ってきて、注目度の高さを実感した。

パク・ボム=MBC「ショー!音楽中心」より

傍聴券のある私たちは座席に座ったが、階段に座ったり、ステージ前に立ったりする人たちも。これがファンクラブ枠なんだそう。階段やスタンディングまで入れると観覧客は最大550人程度。私の座席近くの階段にずらっと座ったのはパク・ボムのファンたちだった。パク・ボムは、世界的に人気だったが2016年に解散したガールズグループ「2NE1(トゥエニーワン)」の元メンバー。「4時44分」という新曲を披露した。ファンたちはそれぞれ歌詞カードを手に持っていて、のぞき込んで見てみたら、かけ声の内容とタイミングもちゃんと書かれていた。みんなで声をあわせて「パク・ボム、サランヘ(愛してる)」などと叫んでいた。

「生放送」とはいっても、実は半分くらいは事前に収録した映像をまぜて放送する。アーティストの入れ替えなどスムーズに放送するためだ。この日は事前収録分で放送するアーティストもみんな舞台に立って、ある程度歌って踊ったら途中ではけて次のアーティストの準備に入る、という舞台裏が見られた。

私の一番の目的は、司会の「SF9」のチャニだったが、残念ながら海外公演中でお休みだった。プロデューサーのチェ・ミングンさんによると、最近は世界的なK-POPブームのため、海外公演で国内不在のアーティストが多く、スケージュール調整が難しくなっているという。

UV=MBC「ショー!音楽中心」より

チェさんは以前ほかのバラエティー番組を担当していて、アーティストと一緒に仕事をする機会が多かった。「『音楽中心』で改めて舞台に立ったアーティストを見ると、この人こんなにかっこよかったのかとびっくりします」。特に感動したのは、ガールズグループ「BLACKPINK(ブラックピンク)」のリサ。「以前の番組でほぼノーメイクで出演してもらい、苦労させたのを思い出して、改めて『ごめん』って謝りにいきました(笑)」

チェさんは、他の音楽番組との差別化に力を入れている。この日は、「UV」という男性デュオが「ミセチョ」というミセモンジ(PM2.5)をテーマにした曲を披露し、異色の存在感を放った。お笑い芸人が歌手としても活動しているのだが、口の部分に穴があいた黒いマスクをして登場し、観覧客も大喜び。チェさんは生放送後、「放送事故みたいだったでしょう?」と笑いながら、「UVは他の音楽番組には出ないアーティスト。ユーチューブなどの影響で全般的に音楽番組の視聴率が下がりつつある中、『音楽中心』ならではの特色をどう打ち出すかが今後の課題」と話した。