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エチオピア航空機の墜落事故 空っぽの棺に涙をこぼす

アフリカを旅する
墜落事故の犠牲者の棺に手を付き、悲しみにくれる女性=3月17日、エチオピアの首都アディスアベバ、中野智明氏撮影

アフリカ東部のエチオピアで今月10日、乗員・乗客157人を乗せたエチオピア航空の旅客機(米ボーイング737MAX8型)が墜落する痛ましい事故が起きた。

事故から1週間がたった17日、首都アディスアベバの教会で犠牲者の追悼式が開かれ、黒い服やスカーフを身につけた千人以上の人が出席した。

犠牲者の遺影と棺が運び込まれると、遺族や友人らは泣き叫び、その場に倒れ込む人も。誰かに支えられないと、立っていられない女性もいた。

墜落事故の犠牲者の棺が運び込まれ、泣き叫ぶ女性たち=3月17日、エチオピアの首都アディスアベバ、石原孝撮影

遺体は墜落後に焼け焦げてしまったため、棺の中には入っていない。エチオピアでは火葬せずに埋葬する人が多く、遺族の気持ちを少しでも和らげるため、棺が運び込まれたのだ。空だと分かっていても棺に手を付く彼女らの姿を写真で収めながら、私は涙が止まらなかった。

犠牲者の国籍は35カ国に上り、1歳の娘がいた客室乗務員や国連の会合に参加する予定だった国連・NGO職員もいた。いとこを今回の事故で亡くしたティギスト・セユンさん(28)は「人なつっこい性格で、誰からも愛されていた。こんな事故が起きてしまうなんて」と座り込み、頭を抱えた。

教会の関係者や遺族、友人らが墜落事故の犠牲者の死を悼んだ=3月17日、エチオピアの首都アディスアベバ、中野智明氏撮影

事故の原因はまだはっきりしていない。ただ、機体の制御装置に不具合があった疑いが指摘されている。遺族からは「事故原因を明らかにし、再発を防いで欲しい」と訴える声が相次いでいる。エチオピア政府は、来月にも事故の原因や状況をまとめた暫定報告書をまとめる予定だ。