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ナイジェリア大統領選の候補者は73人 なんでそんなに多いのか?

アフリカを旅する
選挙戦の会合で、写真撮影に応じる大統領選挙の候補者たち=2月13日、ナイジェリアの首都アブジャ、中野智明氏撮影

23日に予定されているナイジェリアの大統領選挙。アフリカ最大の人口と経済規模を誇る国の未来を決める大事な選挙ですが、候補者の数はなんと 73人。アフリカ諸国の大統領選はこれまでにも何度か取材してきましたが、こんなにも候補者の数が多い選挙を見るのは初めて。なぜそんなに多くなったのか調べてみました。

過去数回の大統領選では、多くても約20人の候補者しかいなかったナイジェリア。今回ここまで増えた理由を現地の日本大使館の担当者に確認したところ、「はっきりとした理由は分からない」としつつ、「大統領選に出馬するための年齢要件が40歳から35歳に引き下げられたことや、現職のブハリ大統領の政権運営に対する不満が大きかったのが一因ではないか」と分析していました。

ちなみに、大統領選に立候補するには登録フォーム代として1千万円以上を支払う必要があるようですが、全候補者が払っているかは不明。選挙集会をほとんど開いていない候補者もいるようで、そのゆるさも候補者が多くなった理由の一つかもしれません。

現職のブハリ大統領のお面をかぶって応援する支持者=2月9日、ナイジェリアのラゴス、中野智明氏撮影

国内には約90もの政党があり、今回の選挙では多くの党が独自の候補者を立てています。30代の若者もいますが、ほとんどの候補は当選の目がなく、有力候補は現職のブハリ大統領(76)と最大野党が推すアブバカル元副大統領(72)に絞られています。  

13日に首都アブジャであった会合では、候補者が勢ぞろい。平和的な選挙戦を誓い合った後、集まった候補者全員で記念撮影をしました。国内外のメディアも来るなど注目度も高かったため、有力候補の2人のそばに立とうとする「位置取り競争」も起きていました。人数が多すぎて、もはや全員いるかも分かりませんでした。

選挙集会では、候補者が自身の政策をPRする一方、国名や党名を連呼して観衆を盛り上げることも忘れません。ブハリ氏を支持する人々の中には、お手製のお面をかぶって応援している人もいました。

興奮しすぎたのか、12日にあった同国南部の集会では群衆が殺到したあまり、少なくとも14人が死亡。翌日に開かれた首都アブジャの集会では、混乱を防止しようと警察官らが銃を持って会場内で目を光らせていました。

選挙集会中に銃を持って警戒する治安部隊の隊員ら=2月13日、ナイジェリアの首都アブジャ、中野智明氏撮影

イスラム過激派「ボコ・ハラム」が北東部で襲撃を繰り返した4年前の前回選挙と比べて、選挙戦は平穏に進んだように見えました。ところが、もともと投票日に指定されていた16日、投票開始の約5時間前になって、選挙管理員会は「1週間の延期」を発表しました。

天候の悪化などで選挙用紙が各地に行き届かなかったことなどが理由とされており、選管のヤクブ委員長は「選挙の適正な遂行のために(延期は)必要だった」と理解を求めました。

約2億人もの人口がいるナイジェリアは有権者の数も多く、田舎に戻って投票しようとした人は徒労に終わりました。投票延期によって経済活動の停滞も懸念されています。日本人からすると驚きの連続の選挙戦ですが、23日の投票が予定通り実施されることを祈ってやみません。