年明けから39度の熱が続けて4日出て、7日に復活した野副@セネガルです。年末年始とダカールにいて大掃除の合間におせち(もどき)を作ったり、友人のおうちに行ったり、人を招いたりしてばたばたしていて、がたっと体調崩しました。熱の上がったり下がったりが続いたのでマラリアも疑いましたが、そうではありませんでした。今年も昨年に続き、新年の抱負に「超健康体維持」をいれましたが、年始めからいきなりつまずいています。
いわゆる途上国にいて困るのは「医療問題」です。それでもセネガル、特にダカールは途上国というには恵まれている環境で公立、プライベートクリニックをはじめいくつもオプションがあります。最先端の医療は受けられないまでも、基本的な疾病はちゃんとみてもらえますし、電話一本でお医者さんが自宅まで来てくれて、値段は普通の病院での診察と変わらないというサービスもあります。薬屋さんも町中にありますから、お金がある人には逆に医療を受けやすい環境と言えるかもしれません。
お金があまりない(使いたくない人)は廉価に手にはいるローカルな薬を使うこともあります。私の周りの外国人はあまり使いませんが、お手伝いさんやセキュリティーの人が風邪をひいたり、腰痛やら、元気回復のために木片が入った薬を飲んだり、庭のはっぱを煎じたりしているのをみたことがあります。「おばあちゃんの知恵袋」的な民間療法は興味深いです。私も肌が荒れているときにいろんな人に「ココナッツオイルがいい」とか「はちみつを使え」とか「ニムツリーを煎じて飲め」といろんなアドバイスを受けました。(道端で知らない人にいきなり、アドバイス受けたりします。)
私は南スーダンで勤務していた時に、原因不明のアナフィラキシーで意識を失い、現地の「病院」に担ぎ込まれたことがあります。意識がぼんやり戻ったら、しみだらけの薄いマットレスに寝かされていて、医療関係者は見る限り誰もおらず、横には今にも産まれそうな大きなおなかをした若い妊婦と、鼻が大きくとれそうになっている(兄弟げんかで斧で鼻を斬られた)血だらけの若者がいました。ぼんやりした意識の中で「この場所で死ぬのは嫌だな」と思ったことを考えると雲泥の差です。
結局、「非常事態」としてケニアから医療用の飛行機を飛ばしてもらって、ナイロビで一週間入院の後退院となり事なきを得ました。健康が「基本」というのはどの年代、職業の人でもそうですが、医療環境が整っていると必ずしも言えないところで勤務する私たちには、普段から一層気をつけなければいけないことなのです。
異国の地で働いている上、山に登ったり、長距離を走ったり、遠泳やったりするので、周りからは「超健康な人」と思われがちですが、実は私は体が強いわけではなく、アトピー持ちですし、若い時分に青年海外協力隊に応募しても「健康診断で落とされる」黒歴史があったりします。あとこれは途上国で働いている人には「よくあること」なことですが、マラリアやデング熱、腸チフスなど一通りかかっています。
興味深いのは、こういう業界にいるとマラリアやデング熱が「恐ろしい病気」というより「なったらなったで粛々と対処すること」としてとらえられることです。もちろん手当が遅れたら命にかかわる場合もありますし、実際、自分の同僚がマラリアや髄膜炎でなくなっていたりもするので、その恐ろしさは十分に実感していることではあります。でも、大騒ぎをするようなことではなく、私の周りも「またマラリアになっちゃったわー」とか「デング熱3回目」、「赤痢だったわ」という人がごろごろいて特に驚くことはないですし、「なったら薬で治す」しかないわけです。
だから虫下しを定期的に飲んだり、スーダン時代はマラリア薬の黄色い箱をいつも持ち歩いていましたし、今も家にマラリアキットがあります(針で指先を刺して採った血を乗せると、マラリア診断してくれる簡易キット)。アナフィラキシーのあとはしばらくはエピペンも持ち歩いていました。病気にかかるとつらいですが特別なことではないので、ちゃんと対応することで自分の体が一つ耐性を強化する!と考えて自己メンテナンスをしっかりしていくことにします。医療施設が整っているのはありがたいことですが、やはり健康の基本は自分の普段の生活(栄養、運動、睡眠)からだと思っています。
2019年、しっかり体と心の免疫を強化して病気に負けないで楽しい一年にしたいですね。今年もどうぞよろしくお願いします。