1. HOME
  2. People
  3. 「みんなが楽しく働くには」学生時代からの思い、インドネシアで実践中

「みんなが楽しく働くには」学生時代からの思い、インドネシアで実践中

私の海外サバイバル

私のON

学生時代から「みんなが楽しく働くにはどうしたら良いか」ということを考えていたので、この分野に就職しました。特に日本人の場合は、仕事が楽しくて充実していれば、おおむね人生も楽しいということになるのではないでしょうか。

海外サバイバル_インドネシア_1
ビルが並ぶジャカルタのビジネス街=ロイター

小学生の時に住んでいた札幌で、家の前にJICA(国際協力機構=当時は国際協力事業団)の事務所がありました。旧ソ連の国の人たちと小学校で交流したり、両親がホームステイの受け入れをしたりしていたので、身近に国際的な環境が自然にあったように思います。言葉を通して様々な人や文化を知るのが好きで、東京外国語大への進学を決めましたが、専攻はインドネシア語ではなくスペイン語でした。スペイン語ならたくさんの国で話されているので、色んな国のことを知るチャンスが広がると思ったからです。

いまの職場では英語によるコミュニケーションが多いのですが、こちらに来てからインドネシア語の勉強を始め、週1回程度、先生にマンツーマンで教わっています。仕事では最終的に英語で確認をしますが、旅行などで困らない程度にはなりました。やはり、現地の言葉をしゃべると喜んでもらえるし、文化を理解する上でも言葉の習得は大切だと思います。

外資系企業で働きたいというインドネシア人は多くいますが、一番人気は旧宗主国のオランダをはじめとするヨーロッパ系企業、次いで米国系、日系企業はその次でしょうか。ただ、インドネシアは親日的な国で、走っている車はほとんど日本車だし、テレビでは日本のドラマやアニメが放送され、よく観られています。「日本」そのものがブランドとなっているので、日系企業もそこそこ人気があるように感じています。

海外サバイバル_インドネシア_2
ジャカルタにあるオフィスでの一コマ=大塚有子さん提供

ただ、インドネシアは日本より多様性があり、変化も速い国です。例えばいまの40代と20代では、受けてきた教育の水準などが異なり、能力や考え方も大きく違います。人材紹介では「適材適所」を生みだせるよう、CV(履歴書)を見てどういう方か想像するのですが、それが日本より難しいところがあります。

日本人の方にもインドネシア国内だけでなくアジア太平洋地域の様々なポジションを紹介していますが、50代後半で駐在経験があるような方がいる一方で、日本で就職せずに最初から海外で働きたいという20代の方もわりと多くいる印象です。いずれにしても、新しいキャリアのスタートをお手伝いをして、楽しく働ける仕事を見つけられた時は、私もとてもうれしいです。

実は、希望して海外勤務になったとは言え、特定の国を希望することはできなくて、ジャカルタに拠点があることさえも認識していなかったため、ここへの異動が決まった時は正直なところ驚きました。直前にはジャカルタで爆弾テロなどもあったし、イスラム教の国であるインドネシアに女性を送るのも初めてということでした。

海外サバイバル_インドネシア_3
インドネシアのジャワ島などに伝わる伝統的な人形芝居「ワヤンクリ」の人形と=大塚有子さん提供

こちらの社会では「女性は守られるもの」という考えが強く、面接に来る女性を男性や母親が送り迎えするような姿は見られますが、仕事の場での差別はあまり感じません。むしろ、社会進出ということでは、一定以上の所得層の間では家事などをメイドさんに任せることも一般的で、日本より女性が働きやすい面もあります。

海外サバイバル_インドネシア_4
ジャカルタのオフィスで同僚たちと=大塚有子さん提供

インドネシア人にとっては仕事より家族や信仰の方が大切なので、締め切りや業務があっても、帰宅していたり報告がなかったりと、戸惑うこともあります。イラッとすることもありますが、みんないつも穏やかでニコニコしているし、困っていれば必ず助けてくれる優しさがあるので、余裕をもって早め早めにこちらから確認するなどして、楽しく一緒に働けるよう心がけています。

宗教もイスラム教徒が圧倒的に多いのですが、特に私の職場にはカトリックや仏教など様々です。何かで集まった時は最初に1分ほどお祈りの時間をとるのですが、それぞれが自由に祈っている姿がとても好きです。宗教に神経質になりすぎず、多様性が認められるのは、広いインドネシアの良いところですね。

私のOFF

こちらの生活に少し慣れたころ、現地のフリーペーパーで「よさこい」のメンバーを募集する広告を見つけました。私は8歳からジャズダンスをやっていて、好きなダンスにかかわりたいと思って応募しました。行ってみると、メンバーのほとんどが初心者で、振り付けと指導を引き受けることになったのです。ジャカルタで行われている日本文化イベントで、よさこいのコンテストがあるのですが、インドネシア人の参加者が中心のこのコンテストで昨年、日本人チームとして初めて優勝することもできました。みんな仕事などで忙しく、限られた時間のなかで一生懸命に練習したので、とてもうれしかったです。

海外サバイバル_インドネシア_5
ジャカルタで開かれたよさこいのコンテストで=大塚有子さん提供

ほかにも休日はゴルフや合唱、こちらに来て始めたダイビングなどを楽しんでいます。

海外サバイバル_インドネシア_6
インドネシアに赴任して始めたダイビング=大塚有子さん提供

こちらはテロやデモなど治安が不安定なところもあるので、現地の日本人同士で助け合う環境があります。「爆発物が発見されて機動隊が集まっている」とか、日本人コミュニティーで日常的に情報交換をしています。海外にいる日本人は気の良い人が多いみたいですね。年齢や立場に関係なくつきあえて、大学の同窓会や県人会だけでなく、同じ干支や同じ星座で集まるなど、何かと口実をつけては飲み会をしているような感じで、とても楽しいです。日本ではなかったであろう出会いがたくさんあり、色んなお話を聞けることが、人好きの私にはとっても楽しいです。