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「世界で最も貧しい国」で働く日本人 絶望もするけど、いいこともある

私の海外サバイバル
ドゥサベ友香さん(右)=本人提供

販売する商品について店の職人(左)と相談するドゥサベ友香さん=本人提供

■小6の時に受けたショック

世界で最も貧しいこの地で、娘2人の子育てをしながら、困窮家庭の支援事業に取り組んでいます。

日本の支援者からのお金で現地の子どもを学校に通わせたり、母親の自立を応援したりしています。学費や学用品、医療費など、必要な時に必要な分を渡し、学び続けられるようにしています。日本円で年約10万円の予算ですが、17人を支援できます。ボランティアの方々と協力しながら取り組んでいます。

また、ヤシの葉から採れる繊維をバッグなどに加工して販売するお店を経営しています。職人の雇用の場になっており、私はデザインなどの提案をしています。クラウドファンディングでお金を集めて、孤児院で調理に使える環境に配慮したバイオガス生成器も作りました。

母子支援事業で借りた土地を、母親たちが耕作して農地にする=ドゥサベ友香さん提供

小学生のころから、貧しい人たちのために働きたいと思っていました。6年生の時に南アフリカ共和国で働いていたおばに会いに行きました。大きな別荘を持つ白人がいる一方で、スラムで貧しい暮らしを強いられている黒人がいました。その光景にショックを受けました。「私はこの貧しい側の人たちのために将来働くんだ」と思いましたし、その思いは今でも変わっていません。

■物乞いの子が支援「卒業」

ブルンジに初めて来たのは大学生の時。それまでにナイロビのスラムや、ジンバブエ、ボツワナも訪れたことがありましたが、ブルンジは国そのものが底なしの貧困に苦しんでいる印象を受けました。ここで将来の夫に出会い、自分の果たすべき役割がブルンジにあるんだと感じました。とにかく、自分の信じた道を進もうと。帰国して大学院で学び、就職して数年間資金をためてから移住しました。移住した時は長女を妊娠中で、夫はノルウェーに留学中。義母の助けを借りての新生活が始まりました。

子どもを産んで、自分の中で意識が少し変わりました。この地で生きていく子どもたちのために、少しでも構造的な貧しさを解消し、緑豊かな環境を残したいと思うようになりました。森林伐採の跡地に植林活動などもしていて、これまでに1万8千本を植えました。

環境保全のため、クラウドファンディングで集めた資金をもとに植樹も進めている=ドゥサベ友香さん提供

貧しい家庭への支援は17年から続けています。昨年初めて支援を「卒業」した子が自動車整備士になりました。出会った時は物乞いをしていた子が、経済的に自立できるまでになりました。私たちが支援しようとしても、学校や職業訓練をすぐやめてしまう人はいます。そもそも国が貧しいので、職を得ても劇的に生活が良くなるわけでもない。絶望を感じることもあります。それでも、チャンスをものにする子どもたちを支え、貧困の連鎖をいまの世代で断ち切ることに意味があると信じています。

ブジュンブラの中心部=ドゥサベ友香さん提供

■冠婚葬祭に300人

ブルンジは家族のつながりがとても強いところで、夫の親族との交流がよくあります。「家族」の範囲も日本より広くて、冠婚葬祭の時には隣国のコンゴ民主共和国に住んでいる親族も合わせて300人くらい集まります。誰が誰なのかとても覚えきれないのですが、肌の色が違うのは私だけなので目立ちます。最初こそ大歓迎されましたが、もちろん特別扱いはありません。

長女マホロちゃん(左から4人目)の誕生日会を自宅で開き、友達を招待した=ドゥサベ友香さん提供

大人数で集まった時は、女性はジャガイモの皮をむいたり、トマトソースを作ったりして、たくさんの料理を作ります。男性は水くみやビールの調達、ヤギの解体など、それぞれ様々な役割があります。何時間もかけて食事の準備をするんですが、食べ終わるのはあっという間。「家族の連帯を大事にして支え合っていこう」といったスピーチがあり、写真を撮ってお開きになります。

ブルンジは若い国で、子育て経験者が多いんです。子どもたちと街を歩いているとみんなかわいがってくれますし、助けてくれることも多いです。休日はタンガニーカ湖沿いのレストランでのんびり食事を楽しむこともあります。ムケケやンダガラ、サンガラなどの魚料理がおいしいです。

ブジュンブラの西にあるタンガニーカ湖でとれる白身魚の料理「ムケケ」=ドゥサベ友香さん提供

英語やフランス語が話せる人はごくわずか。社会に溶け込んで活動をするには現地の言葉を使いこなせることが重要です。何とか話せるようになってきましたが、歯がゆい時も多くありました。やっぱり言葉は大事です。悩みながらも頑張っていこうと思っています。(構成・目黒隆行)