オバマ氏も若者も集う マンデラ生誕100周年
アフリカを旅する
更新日: 公開日:
南アフリカで世界的に有名な人物と言えば、白人と有色人種を差別したアパルトヘイト(人種隔離)政策を廃止に導いた故ネルソン・マンデラ氏(1918―2013)でしょう。
27年にもわたる獄中生活にも負けず、民主化運動を指揮。人気は今も衰えず、「国民の父」と慕われています。今月18日はマンデラ氏が生まれてから100年だったため、南ア各地で記念行事が開かれました。
特に注目を集めたのは、17日にあった米国のオバマ前大統領による講演。普段はクリケットの試合が行われる屋外競技場には約1万5千人が詰めかけました。
マンデラ氏の理念に大きく影響を受けたというオバマ氏は講演で「(マンデラ氏は)真の巨人だった」とたたえ、「私はマンデラ氏のビジョンを信じている。平等と正義と自由と多人種による民主主義のビジョンだ」と訴えました。
一方で、南アは人口の1割が富の約70%を保有し、貧富の差がきわめて大きいのも事実です。条件の良い土地や農地の多くは今も白人が所有し、白人家庭と黒人家庭の平均年収も約4・5倍の差があります。黒人の若者の失業率は50%を超えていて、中には「マンデラ氏は国を白人に売った」と批判する人もいます。
それでも、式典に参加した高校生ステファニー・ハルトンさん(18)はこう言います。「どんな指導者だって欠点はある。南アは今も貧富の格差が激しいけど、これから社会を担う私たち若い世代が問題を解消するために考えないと」
オバマ氏の講演と同じくらい、彼女の言葉には力がこもっていました。