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「国民請願掲示板」で「張賢秀の死刑」求刑!? 韓国のW杯その後

一期一会
6月27日の韓国―ドイツ戦で活躍する張賢秀選手(背番号20)=東亜日報提供
6月27日の韓国―ドイツ戦で活躍する張賢秀選手(背番号20)=東亜日報提供

2002年のサッカー・韓日ワールドカップ(W杯)を記憶している人々にとって、当時の歓喜と高揚感は言葉で語り尽くせないほどの貴重な思い出だ。

4年ごとにやってくるW杯は、その記憶を大切にしている人々の胸を熱くさせるイベントだ。

02年大会まで一勝も挙げられなかった韓国が、ポーランド、ポルトガル、イタリアなど欧州の強豪を次々と破った。最後はドイツに敗れ、3位決定戦でもトルコの後塵を拝して4位となったが、大会4位という奇跡を生み出した。

それまでサッカー後発国だった韓国に熱狂の嵐が巻き起こった。多くの国民が街角で韓国代表の善戦を祈って応援した。ソウル中心部の広場など全国各地で「赤い悪魔」の衣装に身を包み、「テ~ハンミングク」と声をからす人波が途切れることはなかった。

外国メディアも秩序正しい応援を称賛した。人々はサッカーのイレブンに続く、12番目の選手としての誇りを持って応援し、皆が「W杯の英雄」になった気分だった。

だが、その後、韓国代表は苦戦を強いられた。10年南アフリカ大会の16強進出が最高の成績で、前回ブラジル大会では一勝もできずに大会を去らなければならい事態に追い込まれた。

それだけに、今年のロシア大会にかける韓国市民の期待は高くないとの見方もあったが、事態は思わぬ方向に動いた。

6月28日、英・デイリー・メールは、予選F組で韓国が前回優勝国ドイツを破った一戦を「歴史上最もショックな出来事第2位」に選んだ。惜しくも16強進出は逃したが、韓国は世界のサッカー史に名前を刻むことになった。韓国はスウェーデンとメキシコに敗れていたが、この勝利で、ファンたちの失望をいくらかでも和らげることができた。

だが、ドイツ戦の前に既に心に傷を負った選手がいた。JリーグのFC東京に所属するDF張賢秀(チャン・ヒョンス)だ。緒戦連敗のきっかけを作ったという理由で、SNSで集中砲火を浴びた。あろうことか、青瓦台(韓国大統領府)ホームページにある「国民請願掲示板」には、「張賢秀の死刑」を求める心ない請願まで現れた。

張だけではなく、その家族も悪質な人身攻撃にさらされた。「匿名」という壁に隠れて「処罰」を叫ぶネット民たちの魔女裁判は、韓国の病んだ「書き込み文化」を改めて赤裸々にさらけ出す結果を招いた。

更に残念だったのは、帰国後に開かれた記者会見場で監督や選手たちに卵が投じられる騒動が起きたことだった。卵は床に落ちて、選手たちの体を傷つけはしなかったが、心は大いに傷つけたに違いない。

私たちは時々、「世界10位に数えられる経済大国の国民だ」「世界の文化を引っ張る韓流という素晴らしい財産を持った文化先進国の国民だ」という自負心に駆られることがある。

それがどうだ。スポーツ、特に国家代表の選手たちに対しては依然、とてもではないが「立派な国民」とは言えない行動が姿を現す。 スポーツにおいて、勝利や優勝だけが感動をもたらすのではない。結果はもちろん注目を集めるが、その過程において生み出す感動もある。

有終の美を飾りはしたが、努力に比べて満足した結果をもたらせなかったという理由で、国のお祭りにまでなったW杯に対する国民の関心は遠ざかり、熱気も急速に冷めつつある。 22年W杯には、代表選手の活躍と共に、もう少し成熟したネット民たちの文化と観衆の姿を見てみたいと思う。