【1分でわかる】紛争下の教育を守る「学校保護宣言」 G7で日本だけ賛同していない理由
この記事は、with Planetで、2026年1月6日に配信された寄稿記事を再構成してお届けします。本編はこちらから
1. 紛争地で学校や教育が攻撃され、学べない子どもが急増している
2. 学校を守る国際指針が『学校保護宣言』として広がっている
3. 122カ国が賛同する中、日本はG7で唯一未参加
4. 日本にも賛同と具体的行動を求める声が強まっている
1, 増え続ける「教育への攻撃」
紛争が長期化・多発する中で、学校や大学が攻撃されています。丈夫な建物であるため、軍事拠点として使われることもあるためです。教育への攻撃には、校舎への爆撃だけでなく、生徒や教員の殺害・拉致、通学路での暴力なども含まれます。教育を受けられない状況は、子どもたちの将来だけでなく、社会全体の再建を難しくします。
2, 「学校保護宣言」とは何か
国際人道法において、学校は民間の所有物として攻撃してはならない対象とされています。しかし、これが守られていません。そこで紛争下でも学校や大学を守るための国際的な指針として宣言ができました。法的拘束力はありませんが、学校を軍事利用しない、意図的に破壊しないなどの原則を掲げ、多くの国が国内政策に反映しています。
3, なぜ日本は賛同していないのか
日本政府は、宣言の目的は評価する一方、「ガイドラインの中に、国際人道法の義務を超える内容が含まれ、自衛隊の部隊運用への影響を踏まえると、日本の実態にそぐわない内容も含まれる」と慎重な立場も示しています。2025年11月には、外務大臣が「クリアできる部分はクリアしながら、日本として賛同できるかどうか検討したい」と説明しました。
4, 国際社会の見方と日本への期待
宣言に賛同したマリでは、教育省が国防省の代表も含む国家専門委員会を設置し、紛争が続く中でも宣言の実施に取り組んでいます。戦火にあるウクライナでも、2021年に「学校保護宣言行動計画」が作られ、教育施設への攻撃データを収集しています。国際人道支援組織は、宣言は国際人道法に基づき、教育の保護を強化するものだとしています。日本にも国際的な流れに加わることが期待されています。
学校は本来、攻撃されてはならない民間施設です。しかし現実には守られていません。「学校保護宣言」は、教育を守ることが戦後の社会再建の土台になるという考えに基づいています。紛争の絶えない世界において、多国間協調によるルール作りと、そのルールを守るよう求めていく必要性は一層増しているといえるでしょう。